相続税法の改正③

新年あけましておめでとうございます。司法書士の加藤隆史です。今年も新たな気持ちで、お客様に満足していただけるようなリーガルサービスを提供していきますので、司法書士かとう法務事務所をよろしくお願いいたします。

さて、コラム「相続・遺言」のポイントでは、昨年からの続きで、相続税法の改正をとりあげています。相続税とは、相続する財産に対して課税される税金で、相続財産を取得する相続人が支払うことになります。 近年では、基礎控除の拡大により、相続税を納税する方は、一部の資産家に限られていますが、平成22年改正、平成25年改正により、多くの方が相続税を納税することになる可能性があります。今回のコラムでは、平成22年改正、平成25年改正の概要を説明します。

平成22年相続税法改正

平成22年度の改正では、「小規模宅地等の特例」の適用要件が厳しくなりました。小規模宅地の特例とは、相続や遺贈によって取得した宅地のうち、建物の敷地のために使用しているものがある場合には、その宅地の一定面積までの部分に限り、宅地の評価額から80%または50パーセントを減額して、課税価格に算入することができるというものです。この特例は、すでに事業用、居住用あるいは貸付用として実際に使用している宅地は、相続人の生活を維持するために必要であり、簡単に処分することができるものではないからです。

この小規模宅地等の特例の適用要件が厳しくなったということは、今まで特例を適用することができた方が、特例の適用を受けることができなくなるということです。具体的には、改正前は被相続人が住んでいた宅地を別生計の親族が相続する場合や被相続人が不動産賃貸業を申告期限以前にやめてしまった場合も、50%の減額を受けることができましたが、改正後は全く適用を受けることができなくなりました。また、改正前は、宅地を共有で相続した場合、その相続した者の中に要件を満たすものがいれば、その宅地全体について240㎡の面積を限度として、その価額を80%減額することができましたが、改正後は、共有持分に応じて、個別に減額が行える部分を判定していくことになりました。

平成25年度相続税法改正

平成25年度の改正では、「相続税の基礎控除額の減額」、「相続税率の最高税率の引上げ」、「死亡保険金の非課税特例の適用の厳格化」などが行われました。これらの改正は、いわゆる増税をもたらす改正です。なお、減税方向にはたらく改正として、未成年者控除額、障害者控除額の引上げがあります。これらの改正は、平成27年1月1日以降に発生する相続から適用される予定です。

基礎控除額の減額については、前回のコラムで触れましたので、割愛させていただきます。相続税率の税率は引上げされましたが、今回の改正では、取得した遺産の額が少ない人ほど相続税の負担率が増加することになっています。

また、死亡保険金の非課税特例の厳格化とは、下記のとおり変更になりました。

改正前  500万円×法定相続人の数=非課税限度額

改正後  上記法定相続人の要件が①被相続人と生計を一にしていた者②未成年者③障害者に限る

そのため、被相続人と相続人が別居している場合には、非課税限度額が改正前より大幅に減少し、負担する相続税が増額される可能性があります。

 

以上のように相続税法の改正ポイントを書いてきましたが、実際の計算は複雑で分かりにくいものとなっています。当事務所では、税理士と連携して相続税に関する手続き、ご質問にも対応いたしますので、お気軽に当事務所までお問い合わせください。