遺言書が争いの種になる!?

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。一般的には、今週末で仕事納めの方が多いかと思います。いよいよ平成25年も終わりますね。私の以前勤めていた事務所では、年を忘れる「忘年会」ではなく、新たな年を望む「望年会」という呼び名で宴会をしています。「相続」を「争族」、「争続」と呼ばれていますが、呼び方は一緒でも書き方一つで全く別の意味になります。日本語っておもしろいですよね。さて、本日のコラム「相続・遺言のポイント」は、遺言がもとで相続争いになってしまったというケースについてお話しします。私のコラムでも多く書いてきましたが、一般的にも、相続対策のために遺言は作った方がよいといわれています。私もその通りだと思います。遺言はまだまだ利用者が少ないですが、間違いなく有効な相続対策だと思います。しかし、一歩間違えれば相続争いの種になるものになるでしょう。つまり遺言の内容によっては、争いのもとになってしまうということです。それではどのような内容の遺言が争いになってしまうのか具体的にみていきましょう。

争いのもとになる遺言の内容

ここではある事例をもとに検討していきます。

父A、母B、子がC、D、Eの場合、Aが先に死亡して今回Bが死亡しました(ただし、CさんはBさんと前夫の子です)。そして、C、D、Eは兄弟3人で遺産分割協議をしようとしました。そのため相続財産となる預金を家の中から探していると、公正証書遺言がみつかりました。その内容を確認してみるとDとEの方がCより多くの財産を分配する内容となっていました。そのためCが怒ってしまい、兄弟間の仲が悪くなり遺産分割協議もできなくなってしまいました。

上記の事例は実際に私が担当したことのある事案です。Bさんは、兄弟が相続争いにならないために生前に苦労して公証役場に行って、費用をかけて公正証書遺言をつくりました。そのBさんの子に対する愛情が裏目に出たケースです。では、何がよくなかったのでしょうか!?

子は親から平等に愛情を受けていると思ってます。そのため、遺言で子が相続する割合について差をつけてしまいすと感情的になってしまい争族になってしまう可能性があります。今回、なぜそのように差をつけるのかについて、親が生前に子に話しておいたり、遺言に付言をいれておくことで説明した方がよかったかもしれません。

また、公正証書遺言は、公証人が作成する書類ですので遺言を読む方にとっては冷たいと感じる内容になっていることも多いです。そのために、付言事項として親として子に対する最後の言葉を遺しておくこともよいかと思います。

このように遺言は相続対策でとても有効なものですが、内容次第では相続人間の争いを引き起こしてしまうこともあります。遺言の内容についてはそのような点も注意して作ることをおすすめします。