子、孫への教育資金の贈与で子育て支援と相続税対策!でも落とし穴に注意!

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。いよいよ春突入という感じですね。あたたかい日が続きます。車の中にいると暑いくらいです。それはそうと来週から消費税増税です。その関係で当事務所も3月はバタバタでした。しかし、その反動で消費税増税後の景気の落ち込みが気になりますね。

さて、本日のコラム「相続・遺言のポイント」は、予告していた家族信託の適用については、次回以降に持ち越しし、相続税対策の1つとしてあげられる孫への教育資金の贈与について触れたいと思います。この直系尊属から孫への教育資金の贈与は、平成25年4月1日から平成27年3月31日までに教育資金としての使途で両親や祖父母等から子・孫に教育資金を一括して贈与したときに、子・孫一人当たり1500万円までを非課税とする制度です(ただし、学校以外の習い事などは500万円以内が非課税)。一種の生前贈与この制度が相続税対策に使えると考えられています。高齢者世代が持つ資産を若い世代へ早期に移転させることで、子どもや孫の教育資金の確保が実現でき、なおかつ本人の相続財産を減らせるため相続税対策となります。子どもや孫などの子育てにかかる時期は、住宅ローンの支払いなどの費用がかさむ時期でもありますので、子育て支援にもつながる制度といえます。しかし、実は、この制度、なかなか使い勝手がよくないものとなっています。

教育資金を贈与するには信託を利用しなければならない

私が、本やテレビで最初にこの制度を知った時、相続税対策として使えるいい制度だなぁと感じました。というのも、直系尊属が孫の口座に1,500万円贈与として送金して、孫が教育資金として使用すればそれでいいのかなと思ってたからです。

しかし、現実はそんなに甘くなかったです。上記の方法ではダメなのです。1500万円、孫の口座に贈与した時点で贈与税がかかってしまいます。では、実際にどのような方法で行うのか!?

まずは、信託銀行を利用する必要があります。本人が信託銀行へ教育資金目的の金銭を信託して子、孫を受益者と設定します。そして、子、孫が教育資金で使用したことを領収書等で証明し、信託銀行の当該口座から支払いを受けるという仕組みです。税務署にも事前に届け出が必要です。単純に孫への教育資金を1500万円まで贈与できると思っていた方には、ハードルが高い制度なのです。

30歳までに使い切らなかったら贈与税!

そして、注意しなければならないこと、信託をして子が30歳になるとこの信託契約は終了します。そして、その信託終了のときにお金が余っていた場合、その分は贈与税が課税されるのです。つまり、使い切らなくてはならないのです。私的には、変な制度だなと思います。とにかく、注意点が多い制度ですので、この制度を利用する場合は事前に税理士さんに相談することをおすすめします。

最後に、この制度の「学校等」の「教育資金」について具体的にあげておきます。

学校とは、

  • 幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校
  • 大学、大学院
  • 高等専門学校
  • 専修学校、各種学校
  • 保育所、保育所に類する施設、認定こども園
  • インターナショナルスクールなど外国の教育施設のうち一定のもの
  • 水産大学校、海技教育機構の施設(海技大学校、海上技術短期大学校、海上技術学校)、航空大学校、国立国際医療研究センターの施設(国立看護大学校)
  • 職業能力開発総合大学校、職業能力開発大学校、職業能力開発短期大学校、職業能力開発校、職業能力開発促進センター、障害者職業能力開発校
教育資金とは、
  • 学費
  • 授業料
  • 入園料
  • 保育料
  • 施設設備費
  • 教育充実費
  • 修学旅行・遠足費

また、学校以外の下記のことも500万円まで非課税で贈与できます。

  • 学習(学習塾・家庭教師、そろばんなど)
  • スポーツ(スイミングスクール、野球チームでの指導など)
  • 文化芸術活動(ピアノの個人指導、絵画教室、バレエ教室など)
  • 教養の向上のための活動(習字、茶道など)