相続争いが起きるのは今の日本の相続制度のせい!?

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。この前、山中湖でゴルフコンペに参加してきました。しかし、あいにくの雨。晴れていればきれいな富士山がみえたのに残念です。しかし、コンペ自体は楽しかったです!ホールインワンも飛び出し、大いにもりあがりました。

さて、本日のコラム「相続・遺言のポイント」は、なぜ相続争いが起きるのか?ということに焦点をあててお話ししようと思います。相続争いについては、メディアなんかにも取り上げられて今、相続対策をされている方も多いかと思います。テレビドラマなんかでは、相続争いの末、殺人事件が起きてしまうということもあります。では、そもそもなぜ相続争いが起きるのでしょうか。

現在の民法では相続人は平等

現在の民法の相続人の規定では、配偶者が常に相続人になり、第一順位として子、第二順位として直系尊属、第三順位として兄弟姉妹という決まりになっています。そして、何人かの子がいるとその子同士の相続分は均等に分けられます。つまり、長男であろうと次男であろうと相続分はみな平等なのです。そのため、長男が自分が相続すべきだとか、次女が平等に分けるべきだとか、いろいろな主張がされて相続争いに発展していきます。もちろん、生前に支援を受けていたとか介護をしていたなどの事情により特別受益、寄与分という制度で相続分を修正することはできますが、基本的には平等なのです。そのあたりが、相続争いが起きる要因だと考えられます。

昔は戸主がすべてを相続していた

一方、戦前の日本の相続は、戸主制度をとっていました。つまり、戸主がすべての財産、地位などを包括的に承継していました。これを家督相続といいます。戸主になる方は法律で決まっていましたので、誰も文句が言えません。戸主は基本その家の長男がなっていましたので、長男の権限が強かったのです。そのため、昔はこのような相続争いが少なかったかと思われます。相続する人が最初から決まっていて、誰も文句が言えない、ということは相続争いも起こりませんよね。この家督相続制度は昭和22年に廃止され、今の法律に変わりましたので、そのころから相続争いが多くなってきました。特に昔は子が多かったので、その分意思統一が難しかったかと思います。

争いが起きない相続制度に移行するのは難しい

家督相続は家単位で戸主に権限が集中していましたので、現代の日本の社会にはなじまないため、昔の制度に戻ることはないでしょう。そのため、現行の相続法から相続争いを防ぐ方法を考えなければなりません。制度自体では完全に相続争いを防ぐことはできませんので、事前の相続対策が重要になるわけです。例えば、生前に家族全員と話をする、遺言を作る、生前贈与をするなどです。ただし、あまりに技巧的にやりすぎて相続争いがよりひどくなるということもありますので、専門家に相談しながらすすめるのが一番でしょう。