遺言は本人の親族からの依頼が多い

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。前週はコラム更新ができず失礼いたしました。12月に入り世間と同様、当事務所もバタバタとしております。ありがたいことです。最近は風邪がはやっているようですので、みなさまも体調には気を付けて年末をのりきりましょうね。

さて、本日のコラム「相続・遺言のポイント」は、遺言作成サポートの依頼についてです。ここで一つ注意点として、遺言の作成は司法書士またはどの士業でもできません。遺言の作成は自筆証書遺言の場合は本人、公正証書遺言の場合は公証人が作成するものですので、司法書士や各士業が遺言を代行で作成することはできません。そのため「遺言作成」ではなく「遺言作成のサポート」を業務としてさせていただいております。ちなみに、この業務については司法書士でも弁護士、行政書士、税理士などどの士業でも業務として行うことが可能です。

話がそれていきましたが、この遺言作成サポートの依頼は誰かくるのでしょうか!?今日はこの点についてお話ししたいと思います。

遺言を作る本人ではなく親族からの依頼が多い

結論からいいますと、遺言を作る本人より、その親族からの依頼を受けることが多いです。実はこれっておかしいことです。なぜなら、遺言というのは本人しか作れない(または公証人)ものですので、本人以外の方から遺言を作成するのを手伝ってほしいと言われても依頼を受けることはできません。この場合は、まずは親族から話をきいてそれからご本人にお会いして意思確認判断能力の有無などを確認してからお引き受けすることになります。

ここで私が気を付けているポイントとしては、最初に相談された相続人となる方の利益だけを考えた内容となっていないかです。遺言を作成される本人は高齢な方が多く、介護などをしている相続人の方から言われたから仕方なく遺言を作る、言われたままの内容で遺言を作るということが考えられます。つまり、遺言者本人の真意でないことを遺言するわけです。これは少しおかしいと思いますが、現状ではこのように遺言を作られる方が多いです。

そのため、相談された相続人となる方の一方の利益だけを考えた内容となっている場合は、他の相続人のこと、その関係性、資産状況などかなり細かくヒアリングしていきます。そして、全ての状況を勘案して、このような内容の遺言の場合相続時にこのようなことが起きる可能性が考えられるということをお伝えいたします。そこであらためて考える機会を作るというわけです。

遺言は相続対策として大変有効です。しかし、遺言を作ったせいで相続人争いが激化してしまうということもあります。つまり、遺言という爆弾を作るということです。法律家はこのようなことを避けなければなりません。そのため、本人からの相談、依頼ならともかく、本人の親族からの相談の場合はより慎重に遺言作成サポートを行います。

遺言は本人が主役

以上のことから遺言の相談は遺言を作る本人のみと相談するのが理想といえます。本人と親族が同席し相談を受ける場合、本人の真意を聞き出すのは難しいからです。ただ、現実問題としては、本人と相続人になりうる方と一緒に相談に応じることが多いです。このような相談が決して悪いというわけではありませんが、その辺は我々専門家の対応方法が重要になってくると思います。

遺言を作るのは本人、本人が主役ということですね。