相続放棄をしても死亡保険金が受けとれる!?

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。今日はバレンタインですね。昔は女の子から男の子へチョコを渡すイベントだったと思いますが、今は友達に渡す友チョコや自分で食べるチョコなど色々な形で楽しんでいるようです。

さて、本日のコラム「相続・遺言のポイント」は、相続放棄をした場合でも死亡保険金が受け取れるということをテーマに話をしていきます。相続放棄とは、プラス財産もマイナス財産(負債)も相続しません、承継しませんというものです。前のコラムでも度々とりあげていますが、相続放棄というのは単に「自分は相続財産を要りません」と宣言をしても法律的な効力はありません。被相続人が亡くなったことを知ってから3か月以内に亡くなった方の住所地の家庭裁判所へ相続放棄の申立を行うことで、法律的な意味での相続放棄の効力が生じます。相続放棄をすると負債などを引き継ぐことはありませんが、不動産や預金などのプラス財産も受け取ることができません。しかし、死亡保険金、死亡退職金などは場合によって相続人が受け取れるのです。その辺について説明していきます。

死亡保険金は相続財産ではない

生命保険における死亡保険金とは、亡くなったことで保険金を受け取れるものです。これは一種プラス財産と言えるでしょう。なにしろ現金が受け取れるのです。ただ、この死亡保険金は原則相続財産とはなりません。なぜか、それは、通常、受取人が決まっているからです。そもそも、相続財産とは、被相続人(亡くなった人)が亡くなった時点において有していた財産・負債のことをいいます。死亡保険金は亡くなったことを条件に、受取人が受け取れる現金ですので、一瞬でも亡くなった方の財産になることはありません。そうであるから相続財産とはならないのです。相続財産でない以上、相続放棄しても現金を受け取れることになります。

一つ注意点としては、受取人が相続人(その他家族・第三者)であれば死亡保険金を受け取れますが、受取人を被相続人(亡くなった方)に指定している場合は、死亡保険金は相続財産となり、それを相続人が受け取ると相続放棄できなくなります。この場合は、受取人が被相続人ですので亡くなった瞬間に相続財産となってしまうからです。相続対策としまして、現在の生命保険契約について受取人などチェックされてもよいと思います。

死亡退職金は相続財産にあたるか!?

死亡退職金とは会社に勤めている方が亡くなった時に会社から支給される退職金のことです。死亡退職金の場合は、会社の退職金規定等の内規を確認する必要があります。このときに受取人に遺族・相続人が指定されていれば相続財産に含まれませんので、死亡退職金を受け取っても相続放棄が可能です。一方、何も記載がされていない場合は、亡くなった方が受け取ると解釈するため相続財産に含まれ、死亡退職金を受け取ることで相続放棄ができなくなります。

以上のように、相続放棄を検討する期間は短いですが、気を付けなければならないポイントが多くあります。受け取ってしまったがために相続放棄が出来なくなったという方もいらっしゃいますので、正しい知識を身につけておく必要があるでしょう。

死亡保険金はみなし相続財産

以上の説明で、死亡保険金は相続財産にはあたらないと申し上げましたが、相続税の場面での考え方はことなります。相続税法では、死亡保険金は結局現金を受け取れるものだから相続財産とみなそうという考えです。これをみなし相続財産といいます。つまり、税法では死亡保険金は相続財産として考えれて課税の対象になるのです。ただし、死亡保険金には基礎控除などもありますので一般の相続財産に比べると優遇されています。

相続対策・税金対策としても死亡保険金は有用ですので、次回はこの点についてお話ししたいと思います。