相続対策をしないほうがよい場合もある!?

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。今日で2月も終了です。3月というと年度末の会社が多いため、司法書士業界も忙しい時期と言われています。依頼者の方のために全力で対応いたしますので、まずは体調管理をしっかりしていこうと思います。

さて、本日のコラム「相続・遺言のポイント」は、相続対策をあえてしないという選択肢もあるということについて説明したいと思います。今はまさに相続対策ブーム、銀行などの金融機関、司法書士、税理士、弁護士などの士業、葬儀屋どこでも相続サービスを売り出しています。メディアでもとりあげますので、一般の方は、うちも相続対策しないとと思われる方も多いでしょう。実際に相談に来られる方も増えております。しかし、相談を受けてみて、実際に遺言生前贈与などの相続対策をしない方がよい場合もあります。もちろん商売ですので、ご依頼をいただくのは嬉しいですが、当事務所ではそのような事例の場合にはきちんとお客様に「相続対策はあえてしない方がよいと思います」とアドバイスさせていただきます。

相続対策が原因で相続人間で争いが生じる

相続対策をしない方がよい場合とは、相続対策が原因で相続人同士でいざこざ、争いが生じる場合のことです。よかれとおもって生前に相続対策はしたものの、実際の相続の時に揉めてしまうということもあります。こうなってしまうとやるせない気持ちになりますよね。良かれと思って相続対策をしたことが実は相続争いの爆弾を作っていたことになります。

子どもとしては親が亡くなったら平等で分けようと思っていたのに、親が遺言をつくり、不公平な分け方をされた、その怒りは多く遺産をもらった相続人に対してむけられます。親は当然子ども同士仲良くしてほしいと願っていますが、自分が行ったことがきっかけで仲を悪くしてしまったという事例も多くあります。

相続対策は事例によっては有効でもありますし、爆弾を作ることにもなります。無理に相続対策をすすめる方には注意を払って、本当に相続対策が必要なのかじっくり考えてみてください。

相続税対策としてのアパート経営の注意点

相続対策として特に注意しなければならないことは、アパート・マンションなどの賃貸経営を始める場合です。最近は、不動産会社の営業マンから相続税対策のために賃貸経営始めませんかというセールスが多いようです。この場合なにが問題かといいますと、新たな不動産と負債が生じることです。普通、アパートやマンションを建てるときは銀行からローンを組んでアパートをたてます。そのためアパートという不動産が増えて、ローンという負債がのこります。そして、相続が発生すると誰が賃貸経営を引き継ぐのかが問題になります。不動産ですので共有でもつことはできるだけ避けなければなりません。2人以上が賃貸経営にかかわるとうまく管理ができない可能性が高くなり、また二次相続も大変です。もし、アパート経営をしていなければ、土地を相続人共有で相続して売却してお金を分けるという方法もとれました。

アパート経営は相続税上は有効かもしれません。しかし、相続税のことを重視しすぎて実際の相続人の気持ちを考えていないこともあるのではないでしょうか。税金を考えて対策をしてもそれがきっかけで相続争いが起きてしまうこともあるのです。