借地の相続について~借地権の買い取り、返還~

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。3月も下旬に突入です。今月末から4月上旬にかけて桜が開花しますね。花見を楽しむためにも、この1週間は非常に大切です。はりっきて業務に励みます。

さて、本日のコラム「相続・遺言のポイント」は、借地の相続についてです。ご自宅とその敷地を持っている方が亡くなった場合は、相続財産である建物と土地について相続登記をすることになります。しかし、土地を借りていて建物をたてて住んでいるという方も結構多くいらっしゃいます。特に古い先代から土地を借りているケースがほとんどですね。この借地の相続について、どのように相続するのか知らない方もいらっしゃるかと思いますので、今日はこのテーマと取り上げてお話しさせていただければと思います。

借地権も相続財産

借地というと地主が所有権をもっています。当然ですよね。そこで、借地上に建物を所有していた方が亡くなった相続の場合、どのように相続手続きをするのでしょうか。よく勘違いされていますが、相続財産が建物のみでその建物を遺産分割して相続登記をするということがあります。実は相続財産には、建物の他に借地権も含まれます。借地権も立派な財産なのです。私は業務上、一般の方が作った遺産分割協議書をみることもありますが、だいたい遺産分割協議書に借地権の記載が抜けています。建物は空中に立っているわけではなく、必ず土地を使う権利があるはずです。それが所有権であるのか、賃借権・地上権(借地権)であるのかということです。遺産分割協議書にはきっちり借地権の記載も入れておきましょう。ただし、建物と借地権はセットですので、それぞれ別の相続人が相続できるというものではありません。

また、地主の土地に借地権(賃借権・地上権)の登記をしていることは少ないと思いますので、借地権の相続登記が必要となることはほとんどありません。まずは、借地権も財産的価値のある相続財産にふくまれるということをおさえておいてください。

借地の相続手続き

上記で説明させていただきましたが、借地権も相続財産となりますが、相続登記をする必要はないわけです。つまり、登記するわけではないので目に見えるものではないということです。それでは借地の相続手続きというのはどのようにするものなのでしょうか。一般的に借地の相続は遺産分割で誰が建物(借地権)を相続するか決めるだけで手続きは完了します。つまり、地主の関与なしに完了するわけです。なぜなら、相続というのは当然に相続人に承継されるものですので、地主の同意などその他の要件はないわけです。ただし、今後の地代の支払いなどもありますので、できれば地主には一言話をしておいた方がよいと思います。

借地権の買い取り、返還

また、借地権付建物が老朽化していて誰もそこに住まないということもよくあります。そのときは、賃貸借契約を終了して建物を更地にして(原状回復)地主へ返還することになります。しかし、借地権は財産的価値のあるものだと前に説明しました。そのため、借地権を地主に買い取ってほしいと主張することができるのです。借地権とは時価評価の6割ほどの価値がありますので、非常に財産的価値があるのです。しかし、地主がわかりましたといって、そのまま代金を支払うことも少ないです。多くの場合は、建物解体費、今までの地代と固定資産税額などを考慮して価格の交渉をして借地権を返還するということになります。気を付けてほしいことは、地主には借地権を買い取る義務はありませんのでご注意ください。実務上では地主が全く代金を支払わず、無償返還ということもあります。

このような借地の相続に関するご相談はぜひ当事務所にお問い合わせください。