遺言には、必ず遺言執行者を決めておこう!

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。今週、来週あたりから社会人の方も夏休みをとられる方が多いのではないでしょうか。猛暑の記録更新が話題となっていますが、熱中症対策をしっかり行ってお休みを満喫しましょうね。

さて、本日のコラム「相続・遺言のポイント」のテーマは、遺言執行者です。遺言執行者というのはご存知でしょうか!?遺言執行者とは文字通り、遺言の中身を実現するために権限と義務がある者です。私の事務所では、遺言を作る場合は、遺言執行者を遺言に書いておきましょうとアドバイスしています。なぜ遺言執行者が重要なのでしょうか!?

遺言執行者の仕事

遺言をする人は、その遺言の中に遺言執行者を書いておくことができます。この人を遺言執行者として指定しますというような内容です。遺言執行者は1人でも複数人でも結構です。実際に遺言を遺した人が亡くなった時から、遺言執行者の仕事は始まります。まず、遺言執行者は遺言で自分が指定されているので、遺言執行者に就任しますという意思表示を行わなければなりません。もちろん、遺言で遺言執行者に指定されていても断ることはできます。自分は執行者になりませんということです。ちなみに、未成年と破産者以外は遺言執行者になることができますので、相続人の1人でも問題ありません。

遺言執行者はまず、財産目録をつくらなければなりません。つまり、亡くなった方の遺産を調査して財産の内訳書を作るのです。そのため、遺言執行者は金融機関等で遺産を調査する権利が与えられています。ちなみに相続人は遺言執行者の仕事を妨害することはできません。例えば、勝手に遺産分割協議を始めてしまうということがあげられます。そのような協議は無効となります。

財産目録を作成しましたら、それと遺言の内容を相続人に知らせて、遺言の内容を実現するために手続きを開始します。不動産の名義変更や預貯金の解約など全て手続きして、相続人に遺言執行完了の報告をして終了です。

遺言は内容を実現しなければ意味がない

では、なぜ遺言執行者を決めておく必要があるのか!?それは、遺言は作っただけでは意味がないからです。あくまで、遺言を遺した人の最後の意思なので、その内容を実現して初めて、目的が達成されるわけです。

例えば、遺言を作っても、相続人が遺言を無視して勝手に遺産分割協議をすすめてしまうかもしれません。それでは、遺言を遺した人の気持ちが踏みにじられるわけです。そのため、遺言を作るときは、遺言の中身を実現することも念頭において遺言執行者を指定しておくことがよいのです。遺言執行者を決めておけば、上記で紹介したとおり、相続人が勝手に遺産分割協議をしてもその協議は無効になります。遺言執行者を決めておけば遺言の内容を確実に実現できるわけです。

ただし、遺言執行者が遺言で指定を受けていても、断るケースがあります。そのために人選は慎重にしましょう。また、執行者となりうる人に前もって伝えておくことができるのであればそれをおすすめします。そこで事前に了解していただければ安心して遺言に執行者として指定することができます。

遺言執行者に誰を指定するのか!?

それでは遺言執行者は誰がなるべきでしょうか!?一番多いのは、相続人です。相続人であれば身近で直接関係がでてくるので遺言執行者としては適任です。私のおすすめは、遺言執行者に相続人の1人と法律の専門家をセットで指定しておくことです。遺言を遺した人が亡くなった時、相続人も高齢になっている可能性があります。遺言を作成していたときは相続人は元気でも、遺言者が亡くなった時には高齢で動けないということもでてきます。そのときのために、遺言執行者として法律の専門家を指定しておけば、確実に遺言の内容を実現できるわけです。もちろん、遺言執行者に対する報酬というのはかかりますが、遺言を遺す方にとって一番安心だと思います。

注意点としましては、遺言執行者が各々個別に執行手続きができる旨を書いておいた方がよいです。共同で執行業務を行うとなると、執行者同士で意見調整しなければなりませんし、手続きが煩雑になってしまう可能性もあります。

以上のように、当事務所では遺言作成のサポートをさせていただくときは、必ず遺言の内容を実現できるようにアドバイスさせていただきます。また遺言執行者に私を指定していただくことも多いです。

遺言を作っておくと老後の安心にもなりますので、当事務所へご相談いただければ幸いです。