遺言による相続は親の気持ちが子どもに伝わる

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。先週はコラムを更新できませんでした。今週から週1回更新していきますので、ご覧いただければ幸いです。

さて、本日のコラム「相続・遺言のポイント」は、遺言により相続させた場合、遺産分割協議で行う相続よりも親の気持ちが子に伝わるというテーマで書かせていただきます。ご存知かもしれませんが、人が亡くなり相続が始まった場合、原則、相続人全員で話し合い遺産を分配する、遺産分割協議を行います。しかし、亡くなった人が生前に遺言を遺していた場合は、その遺言どおりの遺産の分配となります。自分には財産もほとんどないし、自分が死んだあとは子どもたちが話し合って決めるから別に遺言を作らなくてよいと考えている方もいらっしゃるかと思いますが、私はそれでも遺言を遺してほしい、作ってほしいという想いがあります。それは親の愛情を子に伝えるのが遺言だからです。

遺言は親の愛情も伝える

遺言がない場合は、相続人である子どもが全員で話しあって遺産の分配を決めます。特に子ども同士に感情のもつれがない限りは、すんなり話し合いで決まることも多いです。しかし、子どもとしてはやはり親の自分に対する愛情を知りたいものです。

例えば、預金1000万円を子ども4人で均等に分けるという遺産分割をしたとします。この場合は、単に手続きを行い、相続したお金を自分たちのために使っていくことでしょう。一方、子ども4人に4分の1ずつ相続させるというような内容で書かれたもの遺言が残っている場合はどうでしょうか!?子どもの気持ちとして親が自分のことも考えて遺産を遺してくれたと思い、相続したお金を使う時も親のことを思い出すのではないでしょうか。これはあくまでも個人的に想うことなので、みなさんがそのように思うか分かりませんが、遺言というのは遺産と一緒に親の気持ち、愛情も伝えるものだと思うのです。

つまり、仮に法定相続分どおりに分けるとしても、遺言の方が遺産分割協議で相続させるより、親の気持ちを伝えるという意味ではより効果があり、遺言を遺す意味があるのです。

遺言に付言事項を入れることが重要

上記のような遺言を作るときに、付言事項というものも入れるとさらに親の気持ちが子どもに伝わります。付言事項というのは、法律的な効果はなく、遺言者の最後のメッセージのようなものです。このメッセージをのこすことで親の気持ちがストレートに伝わります。例えば、子どもに対する感謝、これからのこと、など色々と伝えることができます。法律で定める遺言とは別に家族へのメッセージという「手紙」を遺してもよいでしょう。相続というのは、気持ちも伝えるものだと思いますので、ぜひ遺言を作られることをおすすめします。

遺言が争族を防ぐ効果

上記のとおり、親の気持ちを子にストレートに伝えるのが遺言です。もちろん、一方の子に偏った内容では争族に発展してしまうかもしれません。そのようなときは、なぜそのように分けたのかを書いて、他の子に対しても愛情があるというお手紙を遺していただくとよいかもしれません。遺言は相続人である子が争うことを防ぐ効果があります。相続は単に親から子に資産を承継する手続きを行うものではなく、生前に伝えられなかったことを伝える最後の機会です。生前は照れくさくて言えなかったことも最後のメッセージとして遺言に遺してあげると、子は親のことを生涯忘れないで心にのこっていくと思います。家族みんな末永く幸せになってほしいと思いをぜひ遺言で伝えましょう。