相続人以外の第三者に遺産を遺したい場合はどうすればよいのか!?

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。昨日、今日と肌寒くなってきましたね。これからインフルエンザや風邪がはやる季節に入りますので、体調管理は気を付けましょう。

さて、本日のコラム「相続・遺言のポイント」は相続人以外の第三者に遺産を遺したい場合はどうしたらよいのか!?というテーマです。自分が亡くなったら本来は自分の相続人に遺産相続されますが、生前相続人に対してあまりよい感情がなかった、そうであるならば、日ごろお世話になっているあの人に遺産をもらってほしいと思う方もいらっしゃるでしょう。その場合、どのようにすればよいのかについてみていきます。

まずは遺言を作成する

本来、亡くなった方の遺産はその人の相続人が相続します。相続人以外の第三者は遺産を受けることができません。唯一、相続人以外の第三者に遺せる方法が遺言です。遺言で、その遺したい方へ「遺贈」することになります。遺贈とは、亡くなってから贈与するという意味合いになります。相続人ではないので、「相続」とはならないのです。そのため、遺言にはその人に「遺贈」すると書きます。

ここで、遺言ですが、できれば公正証書遺言で作成しておきましょう。自分で書く自筆証書遺言は、亡くなった後必ず家庭裁判所に「検認」の手続きが必要となります。検認手続きは家庭裁判所に遺言書や相続人の戸籍謄本等の書類を提出することになりますので、相続人以外の第三者(利害関係人)がそれらの書類を取得するのは大変です。今は個人情報の管理が厳重ですので役所が戸籍謄本を発行してくれないということもありえます。スムーズに遺贈を受けてもらうためには公正証書遺言を作成しておきましょう。

受遺者に事前に話をし、遺言書は受遺者に預けておく

そして、重要なこととして遺産を遺す相手にきちんと話をしておくことでしょう。事前に話をして相手に受け取る意思があるのか確認しておかなければ、亡くなった時に遺贈を受けることを拒否されて、最終的に相続人に遺産相続されるということになってしまいます。事前に受け取る方・受遺者に確認しておきましょう。

あと可能であるならば遺贈を受ける方に遺言書を預けておくということでもよいかもしれません。自宅に保管している場合、相続人が家の中から遺言書を先にみつけて自分に不利な内容と分かるとその遺言を無視されて通常の相続手続きをしてしまうかもしれません。そのようなことがないよう先に受け取る方に遺言書を預けておくということも検討すべきでしょう。なお、もし遺言内容を変えたい場合でも新たに遺言書を作れば古い遺言はその範囲内において失効するので、預けていても問題ありません。

長男の嫁に遺産をあげたい

相続人以外の第三者で一番多いのは長男の嫁です。最近、核家族が多いとはいえ、ご両親と長男・その嫁が同居していて、嫁が義理のご両親の介護などしているという家庭もまだまだ多いです。ご両親が亡くなってもそのままでは嫁に1円たりとも遺産はいきません。また、長男の他にも兄弟がいる場合、長男が全てを相続できるとは限りません。最悪、同居していた家を売ってでも法定相続分を主張されてしまうということもおきるかもしれません。一番苦労をかけた長男の嫁に遺産をのこすには、遺言しかありません。ぜひ、そのように考えている方がいらっしゃれば、まずは遺言作成を検討しましょう。