離婚後300日問題を見直すとき~相続・親族分野の法律を見直すときがきているのか!?~

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。本年の司法書士かとう法務事務所をご支援いただきまして誠にありがとうございました。2015年最後のブログとなります。

今年1年を振り返って、相続・親族関係について法律が変わろうとしているという印象をもちました。相続・親族分野について数々の画期的な判例がでてきて、法律も見直さなければならないと感じます。直近では、民法第733条の女性の再婚禁止期間について、憲法14条の方のもとの平等に反するという違憲判決が出されました。前々から違憲であるといわれてきましたが、今回最高裁が初の違憲判決を出したことは時代に即している判断だと思います。このように、近年では、夫婦別姓の問題や嫡出子と非嫡出子の相続分の問題など、裁判所で様々な判決がだされています。本日のコラム「相続・遺言のポイント」では、本筋から少し外れるかもしれませんが、私が最も改正を望む「離婚後300日問題」について取り上げたいと思います。

離婚後300日問題とは

離婚後300日問題を引き起こす法律とは、民法第772条にあります。以下条文をあげます。

第772条 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。

②婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

ここで問題となるのが、離婚から300日以内に生まれた子は、前夫の子と推定されてしまうということです。つまり、妻が別れてから300日以内に出産して生まれた子は前の夫の子として推定されて、戸籍上も前夫の子として記録されてしまいます。しかし、離婚前に別居している場合が多く、婚姻関係が破綻しているときに、妻に別の男性と付き合い子を妊娠するということもあります。この場合、血縁関係的には明らかに当該男性が父となりますが、戸籍上は前の夫の子として記録され夫の戸籍に入ってしまいます。離婚の原因が前夫の暴力ということもあり、この場合は妻としては前夫と連絡を一切断ちたいと思うのが当然です。

子は生まれたら2週間以内に出生届を役所に提出しなければなりません。しかし、ここで出生届を提出してしまいますと事実と異なる戸籍ができてしまいます。一番の問題は子の気持ちです。将来自分の戸籍をみたときに別の父の名前がのっていたとしたら想像できないくらいショックをあたえてしまいます。そのため、母が出生届を出さずにいるケースも多くあります。この場合、無戸籍の問題があります。戸籍がないと就労できなかったり、将来婚姻・結婚することもできません。

このような問題を引き起こす民法第772条はやはり改正すべきだと思います。

現時点で改正はされておりませんので、このような問題解決のお手伝いを当事務所は行っております。ご遠慮なくお問い合わせいただければ幸いです。

明治時代につくられた民法

民法第772条も非嫡出子の相続分の規定も明治時代に作られたことが法律です。明治と現在では人の生活スタイルや考え方が全く異なるといっても過言ではありません。あきらかに現在生きる方には不便な法律となっています。やはり時代に即した内容に改正していくべきだと思います。近々、民法では債権法を中心とした大改正がなされます。これも現在の生きる方にマッチするような内容に変わります。当然、我々法律家としては知識の入れ替えなど大変な作業となりますが、みなさんにとって非常に重要な民法こそ積極的に改正してもよいのではないかと思います。