相続の承認・放棄の期間を伸長することができる!

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。今週は首都圏で雪が降りました。交通機関が麻痺して私も移動が大変でした。あのくらいの雪でも混乱してしまいます。雪の予報がある日は事前に情報をキャッチしてから早めに行動することが大切ですね。

さて、本日のコラム「相続・遺言のポイント」は、相続の承認・放棄の期間を伸長することができるということです。相続放棄は被相続人が亡くなったことを知ってから3か月以内に家庭裁判所に申立しなければならないということは本コラムで何度も取り上げています。しかし、その期間を伸長することができるというのは意外に知られていません。では、どのようなときにこの申し立てを行うのでしょうか!?

相続の承認と相続放棄

まず民法の条文です。

民法第915条 

相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に相続について単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

相続の承認とは、相続することを認めることです。つまり、被相続人の財産や負債を全て相続することになります。ほとんどの方がこの相続の承認をして遺産分割協議や名義変更登記などを行っていきます。逆に相続財産や負債を放棄することもできます。例えば、相続財産より負債の方が大きいのでこのまま相続を承認してしまうと負債も引き継いでしまうことになります。そのため、被相続人が亡くなったことを知ったときから3か月以内に被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に相続放棄をして、裁判所が認めてくれれば、その負債を引き継ぐことがなくなります。つまり、借金などを返さなくてよくなります。ただし、自身が相続放棄すると、次に相続するべき人に相続権が移りますので、その方に負債が多い事実を伝えてあげた方がよいかと思います。

相続の承認、放棄の期間を伸長する場面とは

ではどのようなときにこの3ヶ月という期間を伸ばすのか!?例えば、両親が離婚して、それ以降母親と一緒に暮らしていたため父親と音信不通になっていた場合、本申立てが有効かと思います。両親が離婚して母親と暮らしていてもその子は父親について相続権があります。父親が亡くなったことを知っても、普段父親の現況などがわかりませんので、すぐに亡くなった時点の資産・負債関係は分かりません。もしかしたら多額の借金を抱えているかもしれません。消費者金融等からの借入金の場合は、1ヶ月遅れた場合は通知が届きますので把握しやすいですが、友人から借金をしていたなどの場合は3か月の間に把握することができないかもしれません。このようなときは、相続の承認・放棄の期間を伸長するメリットがあります。

家庭裁判所に申立てする

期間の伸長も相続放棄と同様に家庭裁判所に申立てを行う必要があります。また、期間を伸長するかは裁判所が判断しますので申立内容が認められるるとは限りません。申立書には期間を伸長しなければならない事情、理由を書かなければなりません。ちなみに新たに伸びる期間については3ヶ月に限定されません。3か月を超える期間を伸長する申立もできます。さらに、一度伸長したから再度の伸長ができないというわけではなく、さらに伸長の申立ができます(再伸長可)。伸長の申立は、期限が到来する前に家庭裁判所に申立書を提出しなければなりませんので注意してください。期限が過ぎてからの伸長はできません。

当事務所ではこのような申立もサポートさせていただいておりますのでお気軽にご相談ください。