遺言書で全ての財産を一人の相続人に遺す場合でも詳しく財産の内訳を書いておくべきか!?

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。今週は寒いの一言でした。雪の予報もありますので出かけられる方は気を付けてください。

さて、本日のコラム「相続・遺言のポイント」は、遺言書に詳しく財産の内訳を書いておくべきか!?というテーマです。法律で定めている遺言書には厳格な要式を満たしていなければなりません。その要式を満たしていない遺言は全て無効になってしまいます。そして、遺言書にはほとんどのケースで、財産の分配に関することを書かれる方が多いです。「この不動産は長男、預貯金は二男と長女で2分の1ずつの割合で分配する」などです。一方、相続人が一人のケースや単独の相続人に遺産をのこしたいケースの場合は、「全ての財産は長男○○に相続させる」と書いてあれば、財産の名義変更などで支障ありません。その内容の遺言でも問題なく相続手続きできるわけです。しかも包括的な文言ですので、財産の漏れもありません。しかし私は、遺言書には具体的な表記をしていただくことをおすすめします。

相続人が相続手続きする場合を想定する

なぜ、遺言書に具体的な表記をした方がよいのか!?それは、ずばり財産を相続する相続人が実際に不動産の名義変更登記や預貯金の解約をするときに具体的な財産の記載がされている方が財産を把握しやすいからです。実は子どもたちが親の財産を把握していないことは多いです。生前親に財産について聞くのは難しいですよね。そのため子どもたちは漠然とは知っているけど具体的にどのような財産があるか分からないのです。そのため、まずは家の中から通帳や固定資産税の納税通知書などを探して財産を把握することになります。ただ、それでも本人しか分からない財産があるかもしれません。遺言書に具体的に財産の表記をしておけば相続人も財産を把握してすぐに相続手続きに入れますので遺言書には具体的に財産を書いておきましょう。

自筆証書遺言の場合は注意

ただし、自分の直筆で書く遺言、自筆証書遺言の場合は注意が必要です。自分で財産の記載をしますので、書き間違えたりする可能性があるからです。書き間違えてしまうと財産の特定ができていないため名義変更、解約などができない可能性があります。自筆証書遺言の場合は下書き、清書、チェック・確認をすることをおすすめします。

預貯金の場合どこまで書けばよいのか

最後に遺言書に預貯金を記載する場合どこまで書けばよいのかということですが、特定できる範囲で結構です。例えば「○○銀行○○支店の普通預金、定期預金」などで問題ありません。できれば口座番号まで書いた方がよいかと思います。よく金額まで書かれる方がいらっしゃいますが、金額は書かなくて結構です。金額はつねに変動するからです。そして、「遺言者名義の他の金融資産全て」という文言は必ずいれていただければと思います。もし書き漏れがあったり遺言書を作成したあとに新たに口座を開いたりしてもその文言により相続手続きができるからです。

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