相続対策としての養子縁組は慎重に!

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。このコラムは毎週土曜日に更新していましたが、先週は所用で更新できませんでしたので本日書きます。

では、本日のコラム「相続・遺言のポイント」は、相続対策としての養子縁組についてです。養子縁組を行うことで養親と養子の関係になります。法律上親子関係になりますので相続関係が発生します。そのためよく相続対策として相続人の数を増やし節税するために養子縁組を行うことも昔はしばしばありました。この養子縁組は確かに相続対策の方法の一つですが、実際に養子縁組される前によく考えてから慎重に決定していただくことをおすすめします。

養子縁組は相続争いの種にもなる

養子縁組は、相続税対策として養子を増やして相続税の基礎控除を増やして節税するために養子縁組が活用されていました。ちなみに相続税法上では、実子がいる場合は一人、実子がいない場合は二人までという制限があります。このような相続税対策は、税務署から目をつけられやすいともいわれています。話がずれましたが、相続税対策以外でも養子縁組が活用されています。例えば、相続人以外の方に相続させたい人がいる場合に活用されます。相続人以外の方に遺産をのこすには、遺言をつくるか養子縁組をするしかありません。養子縁組は法律上の親子関係が生じるため、実子と同じ権利・義務、法定相続分をもちます。そして養子縁組の手続きも縁組届を管轄の役所に提出するだけでよいため結構簡単に縁組ができるのです。

このように養子縁組は相続の場面で活用されています。しかし、養子縁組は相続争いの種にもなります。つまり、養子縁組をするときに他の相続人がいる場合、他の相続人がどのように思うかです。養子縁組をすると他の相続人の法定相続分はそれだけ減ります。感情的になぜ、どうしてという気持ちがでてきてもおかしくはありません。そして、相続のときにその怒りが養子にいって相続争いに発展してしまうのです。遺言書であれば、付言事項でどうして相続人以外の方に遺産をのこしたいのかメッセージをいれておくことができます。しかし、養子縁組の届出書にはこのような記載はできません。このように養子縁組を安易にやってしまうとあとで養子が相続争いに巻き込まれてしまうという可能性があるのです。

養子縁組を行う前に

どうしても養子縁組をしたい、必要だという場合はどうしたらよいでしょうか!?その場合は、相続関係者、親族関係者に養子縁組をする理由などを縁組前に話をしましょう。もちろんその理由に納得しない場合もありますが、事前に話をしておくことで他の相続人に気持ちが伝わることもあります。

また、養子縁組は養子の氏も変わります。戸籍上の記載も変わりますので、その辺り自分の生活環境に支障がないか確認はしましょう。

養子縁組する場面

私が養子縁組を活用すべき場面だと思うのが、お子さんがいなくて兄弟が相続人になるケースです。この場合、お子さんがいない方は日ごろのお世話を第三者または相続人にならない親族の方が行うことが多いです。そのような方に遺産をのこしたいというときに養子縁組が有効かと思います。私の考えでは養子縁組はあくまで限られた場面で活用すべきで、縁組をする前にはその先のことを慎重に考えたほうがよいかと思います。