相続における不動産の価格とは!?

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。気温も上がってきまして夏の一歩手前というところでしょうか。

さて、本日のコラム「相続・遺言のポイント」は、相続における不動産の価格をテーマにお話しさせていただきます。不動産の価格というと、いくらで売れるのかとか遺産を分けるときに不動産をどのように評価するのかとか、名義変更の登記を行う時に登録免許税がいくらかかるのかなどあらゆる場面ででてきます。相続という分野に絞っても色々な場面で不動産の価格を算定する方法が異なります。それでは具体的にみていきます。

不動産の名義変更登記のときは

まず、相続が始まり、遺産に不動産が含まれている場合は、不動産の名義を変更する必要があります。俗に相続登記といわれるものです。正確には「相続」を原因とする「所有権移転登記」を行う必要があります。ちなみに申請人は不動産の権利を取得した相続人です。このときに必要な税金が登録免許税です。読んで字のごとく登記という登録をするときに国に納める税金のことです。俗に登録免許税は不動産価格の1000分の4という割合で算出します。不動産の評価が1000万円であれば4万円ということです。4万円は司法書士に依頼しなくても必ずかかります。そこで登録免許税を計算するときの「不動産の価格」とは固定資産税(都市計画税)を計算するときの評価額が基準になります。毎年4月頃に送られてくる固定資産税納税通知書の内訳書に「評価額」と書いてあるのが登録免許税を計算するときの評価額です。実務では「固定資産評価額」といっています。この「固定資産評価額」は不動産の時価の7割くらいと言われています。そのため売却するときの値段よりかは一般的に低くなると言われています。ここで一般的にと申し上げたのは、後程詳しくお話ししますが、地方の不動産では固定資産評価額より低い金額でしか売れないということも多いということです。

相続税を申告するときには

それでは相続税の計算をするときにもととなる不動産の価格はどれを基準にするのでしょうか。結論から申し上げますと路線価・倍率方式という方法で不動産の評価を計算します。インターネットで「路線価」と入力してみるとでてきます。路線価では1平方メートルの価格がでていますのでその価格に地積を掛けると相続税の計算をするときの不動産価格が算出できます(ただし、土地の形や道路の接し方、間口の広さ、奥行きなどで価格が調整されます)。この路線価で計算した不動産価格は時価の8割くらいです。上記の固定資産評価額よりは少し高いということです。ちなみに倍率方式とは田や畑が多い市街化調整区域などで主に使われる算出方法です。

遺産分割、遺留分減殺請求をするときは

次に遺産分割や遺留分減殺請求するときに出てくる価格はどのように計算するのでしょうか。これは、一般的に不動産の時価が基準となります。実際に売り買いするときの価格と思っていただいた方がよいかもしれません。そのため今まで出てきました固定資産評価額や路線価よりも高くなります。ただ、上記の固定資産評価額や路線価と異なり、時価評価は算出しにくいです。正確に算出する場合は不動産鑑定士に評価してもらう必要がありますが、鑑定士の費用もかかることから不動産業者の見積などを基準にすることもあります。また、相続人の話し合いで固定資産評価額や路線価で計算した額をもとに遺産分割協議することもあります。実務では路線価が多いかもしれません。

銀行や士業の費用計算では

最後に相続手続き、遺産承継業務、遺言執行業務を依頼する費用計算をするときの不動産の価格についてです。よく銀行や士業の費用算出の基準として「遺産の総額の何パーセント」と決めてあるところが多いです。この遺産の総額に不動産が含まれるときの不動産の価格は、銀行や事務所ごとでことなります。実務では路線価で計算することが多いですが、固定資産評価額を基準とするところや取引相場を基準をするところもあるかと思います。依頼する前に確認してみるとよいかもしれませんね。ちなみに当事務所では路線価を基準にしています。