法定相続情報証明制度が新設される!?

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。もうすぐ梅雨明けです。暑い夏がやってきます。熱中症などに気をつけて元気に夏を乗り切ろうと思います。

さて、本日のコラム「相続・遺言のポイント」は法定相続情報証明制度という新しい制度が新設されるかもしれないということでそれをテーマにしてみます。法務省から案として出ている法定相続情報証明制度とは、相続人が登記所(法務局)へ亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本、そして相続人の戸籍謄本、住民票などをつけて提出し、登記官が認証文付の法定相続証明書の写しを交付するというものです。その法定相続証明書があれば戸籍謄本一式がなくても銀行などの金融機関、証券会社などで金融資産の解約や名義変更手続きができるというものです。また、不動産が他の管轄にある場合もその法定相続証明書で足りるようです。この制度が新設されるのはなぜでしょうか!?

相続登記を推進したい

現在、空き家問題が生じていることは多くのみなさまに知れているかと思います。空き家問題とは、主に相続などにより空き家が生じ、長期間そのままの状態にあることで、治安が悪くなる、事件に利用される、美観を損うという問題です。この空き家問題が生じる一因として、相続登記が放置されるということです。相続登記が放置されますと、現在の所有者の確定が難しくなり、また、相続人などの関係者が多くなりすぎて協議がまとまらないなどの問題が生じ、土地や建物についてそのまま処分や解体などができずそのままの状態になってしまうのです。

そこでそれらの問題を解決する方法として一代一代きちんと相続登記をしていきましょうということを国も推奨しています。そのためには相続手続きを簡略化すればよいのではということで法定相続情報証明制度の案がだされているのです。法務省の見解では、法務局ごとや金融機関ごとに同じ戸籍書類を提出しなければならないのは煩雑で社会的コストが発生するというものです。また、最初に相続人が法定相続情報証明書の請求に登記所に来ることで相続登記の必要性など説明でき相続登記の申請をすすめることができるということもあります。確かに一理ありますよね。

相続書類は原本還付して持ち回りで使用できる

ただ、戸籍謄本等の書類一式は法務局ごと、金融機関ごとに1通ずつ必要なわけではありません。相続登記を申請するときには原本還付の請求もできますし、金融機関でもコピーをとってもらって原本を戻してもらうことはできます。そのため法定相続情報証明書の発行手数料がいくらなのかにもよりますが相続人の費用は1通分で足ります。それ以外は法務省の考え方に賛同できるかと思います。法定相続情報証明書は基本1枚で多くても数枚かと思います。現状金融機関が全ての戸籍の写しを保管し続けるのは難しいでしょう。できるだけ簡略化したほうが金融機関にとってもよいはずです。また、チェックする書類が少なくなれば事務処理も早くなりますので相続人のためにもなります。私的には運用してみてもよい制度かと思います。

近年、遺言を作った場合に相続税が一部控除される遺言控除など、国も相続に関する問題を認識していて対応しています。これから相続における制度、法律が変更されていくのかと思います。