相続人に負担かけず亡くなった後に不動産を売却して相続人に現金を分ける方法とは!?

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。お盆休みも終わり、8月も後半戦です。元気にいきましょう。

さて、本日のコラム「相続・遺言のポイント」は、亡くなった時に相続人に不動産を残すのではなくお金を残したい場合、どうすればよいのかについてお話しいたします。遺される方に同居していた方がいれば不動産を遺すということもありますが、近年の核家族化により、子世代が独立して別に居所をかまえていることが多いです。そうしますと自宅は空き家になってしまい、相続人が不動産の処分手続きを行っていかなければなりません。そのため遺された相続人にそこまでの負担をかけたくない、自分が亡くなるまではそこに住むから売りたくないけどなくなったら現金でのこしたいと考える方が増えてきています。そのときにどのような方法があるのかみていきます。

遺言執行者が不動産を売却し現金を分ける

上記のように自分が亡くなるまでは居所であるから不動産は売れないけど、自分が亡くなったら家族それぞれに現金をのこしたいという方が増えています。不動産は流動性がないので分けにくいですが現金は分けやすい、つまり相続争いになりにくいということでそのように考える方が増えているのだと思います。この場合、どうしたらよいのか!?

それは、遺言で、「不動産については、遺言執行者をして売却手続きを行い、換価換金した上で、そこから不動産売却に要した費用、譲渡所得税などの公租公課を引いた残額につき相続人に対して3分の1ずつ相続させる」と定める方法です。これを俗に清算型遺贈といいます。遺言執行者はあらかじめ遺言で定めておいて、亡くなった時に遺言執行者が不動産の売却手続きを行えば相続人の負担を避けることができます。この場合、遺言執行者には司法書士が適任といえます。それは、司法書士が相続、登記、不動産の法律関係に詳しい、不動産業者との関係性からもっとも適している専門家だからです。

相続人の協力なく相続から売却まで可能

上記の手続きを具体的にみてみましょう。まず最初に行うのが、法定相続人全員による相続による所有権移転登記です。登記法の決まりで、亡くなった人の名義では他の方に売却(所有権移転登記)することができません。そのためにまず相続人に名義を移す必要があります。そのときに相続人全員に名義を移しますが、この手続きに相続人の印鑑や書類は必要ありません。遺言執行者の権限を証する書類などで行うことができます。それは遺言執行者が相続人の代理人であるからです。

相続人への名義変更登記が完了しましたら、売却手続きのため不動産業者へ協力をあおぎます。司法書士は不動産登記の専門家ですので普段から不動産業者とのつきあいもありますし、うまく連携できるかと思います。そして、買主がみつかり売買契約を行います。子の売買契約も相続人の代理人として遺言執行者が行うことができます。最後に、買主へ売買による所有権移転登記を行います。この登記手続も相続人の印鑑や書類など必要ありません。

売却代金から様々な経費を引き、最終的に相続人に分配します。これで無事相続人の負担なく現金を分けられることになります。

譲渡所得税には気を付ける

気を付ける点として譲渡所得税があげられます。つまり譲渡したことによって売主には売買代金が得られるので、その所得に対して税金がかかります。これを譲渡所得税といいます。この譲渡所得税は相続人の負担になるのです。遺言執行者としては譲渡所得税を売却前にあらかじめ計算し、売却代金を分ける前にその分を留保しなければなりません。そして、遺言執行者から税金を納税する手続きをとることが望ましいと言えます。売却代金を相続しない相続人に税務署から問い合わせがくる可能性もありますので、遺言執行者としては税金のこともしっかりおさえて手続きをおこなていくことが重要です。

当事務所ではこのような要望にこたえるため、遺言作成から遺言執行、不動産の売却手続き、現金の分配までトータルでサポートしております。お気軽に当事務所までお問い合わせください。