お墓、埋葬にはどのような法律問題があるのか!?

こんにちは、司法書士の加藤隆史です。都心に11月では50年ぶりの雪が降りました。そして急に寒くなりましたね。私もコートを急いで出しました。

それでは、本日のコラム「相続・遺言のポイント」はお墓や埋葬における法律問題とはというテーマで書かせていただきます。本日は埋葬にスポットをあてます。

高齢者が増えている日本において、死亡者も当然増えてきます。そこで問題になるのがお墓や埋葬についてです。お墓や埋葬に関することは、「墓地、埋葬等に関する法律」で定められています。この法律の目的は、宗教的な感情にあって、公衆衛生やその他の福祉の観点から支障なく墓地の管理や埋葬が行えるようためです。このお墓や埋葬に関してどのような法律問題があるのか、それについてみていきます。

死者を葬る方法

日本では人が亡くなると火葬されるのが一般的です。統計では火葬の割合はおおよそ99パーセントです。死体をそのまま埋葬するいわゆる土葬は欧米では一般的ですが日本ではなじみません。宗教的なことや国土の大きさなどで火葬してから埋葬(散骨)するということが一般的です。そこで死者を葬る方法の種類としては、先にあげた火葬のほか、土葬、水葬、鳥葬、風葬などがあり、近年では、焼骨をお墓に埋めるのではなく、海や山に遺灰をまく散骨や、地面に穴を掘り、その穴の中に焼骨をまき、その上に樹木の苗木を植えたり土や落ち葉をかける樹木葬などがでてきました。

散骨と法律問題

墓地、埋葬等に関する法律では次のとおりに定められています。

埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域にこれを行ってはならない

一般的に多いのが、焼骨したあとに骨壺にいれて骨壺をお墓にいれるということですが、上記の例であげたように焼骨を埋蔵するのではなく、海や山にまく「散骨」がこの法律に違反しているかが考えられます。また、他の法律では刑法で定める死体損壊等罪にあたるのかもポイントです。

結論からいいますと厚生労働省は散骨は上記の法律が想定していない葬法であり、散骨が同法律に直ちに抵触することはないという見解をしめしています。ただし、同法律のとおり「墓地以外」の土地に散骨する場合は同法律に抵触するおそれもあります。また、地域の条例などで散骨を禁じている地域もありますので行政の規制がないか確認する必要がでてきます。

また、民事上の責任として、他人の土地に散骨する場合は風評被害(海に散骨することで漁業をしている方、山に散骨した場合にその山の所有者など)や近隣トラブルの問題も発生するおそれがありますのでそのことを念頭において散骨するか否かについて考えなければならないでしょう。

さらに、刑法では、「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する」と規定されています。これについては、遺族が故人の意思に従って遺骨を散骨する行為は、それが相当な方法、場所で行われる場合は死体損壊罪にはあたらないと考えられます。

いずれにしても散骨は法律が予定していない方法ですので事前に上記の点を確認する必要があるでしょう。

樹木葬と法律問題

樹木葬とは上記のとおりの埋葬方法ですが、基本的には墓地、埋葬等の法律で定める「焼骨の埋蔵」にあたると考えられます。焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域で行うことが認められていないため、それを考慮すると樹木葬を墓地の区域内で行うことはできますが、墓地以外の講演や山林などで行うことは禁止されていると解されます。

次回はお墓に焦点をあてて法律問題を考えてみます。