遺産分割協議をするときの調整方法とは!?

横浜の司法書士の加藤隆史です。今日は遺産分割協議をするときの調整方法について確認してみましょう。

遺産分割協議が成立しない

遺産分割協議とは、亡くなった遺産について相続人が話し合いで分配方法を決めることをいいます。日本では遺言を遺している方は少ないので、ほとんどの相続では遺産分割協議が必要になります。もちろん、相続人が1人であれば遺産分割協議を行う必要なく一人で単独相続することができます。

さて、相続人の話し合いで分配を決めるということは話し合いがまとまらないケースもあります。自分の取り分を多くしたい、気に入らないから反対しよう、など相続人のうち1人でも反対すれば遺産の分配ができないのです。そこで遺産分割の調整をはかることになりますが、どのように調整していくのでしょうか!?

各相続人の絶対に譲れない主張を明らかにする

まずは、各相続人がこれだけは譲れないという主張を出し合います。例えば、私はここに住みたいから不動産を相続したい、これくらいのお金がもらいたい、現金は入らないから株がほしいなどです。ここでは絶対にこれだけは認めてほしい点だけをピックアップしますので、それ以外は譲歩してもらいます。ときに自分の主張が認められないとご相談もありますが、相手がいる以上は、全ての主張は認められません。まとまらない遺産分割はお互い譲歩できるかがポイントです。

例えば、ここに住みたいから不動産(土地・建物)は絶対に相続したいという相続人とここは売却したいという相続人がいるとします。この場合に、売却したいという相続人はここを売却することが目的ではなく、売却代金を得たいというのが、本音でしょう。そこで、この不動産を相続したい方が相続する代わりに、売却したいという相続人に対してお金を払うという方法があります。これを代償分割といいます。実際に不動産を分けるというのは、資産価値の問題であったり、既に建っている建物の建蔽率等の問題があり難しいため、遺産分割協議で調整する方法で一番多いのは、この代償分割になります。ここで不動産を相続する代わりに支払うお金はいったいいくら出せばいいのでしょうか!?基本的には自由です。不動産の時価を調べて相続分を算出しなくてもいいのです。不動産を相続する方が現実に支払える額を提案することになるでしょう。

土地を担保にお金を借りるという方法もある

ただし、売却したい相続人がその金額では納得しないかもしれません。現実に支払うことができる金額より多い金額を希望してきた場合はどうでしょう!?その場合は、土地を担保にお金を借りるという方法もでてきます。もちろん銀行は借りる用途がはっきりしていない場合は融資はしないため、民間の会社や対応してくれる金融機関に頼むことになります。当然利率は銀行にくらべれば高くなります。ただ、絶対に家だけは手放したくない、売却したくないという気持ちが強いのであれば一つの方法として考えることができます。お金を受け取りたい相続人も不動産売却したときの譲渡所得税など(住民税や保険料も)の負担がでてくるより、相続の代償金という形で受け取った方が税金上有利になることも考えられます。もちろん相続税の申告、納税が必要かどうかも考慮する必要がありますが、実際にこの方法で手続きされている相続もあります。

相続というのは感情の問題もありますので、感情的にあの相続人だけは許さない、お金の問題ではないというケースの場合は、調整が難しく裁判での決着になることが多いと思います。