遺言内容の特定が重要

こんにちは。司法書士の加藤隆史です。コラム「相続・遺言のポイント」の第7回目のテーマは、遺言内容の特定についてとりあげます。遺言の内容の解釈が争われるのは、ほとんどの場合、自筆証書遺言のケースです。自筆証書遺言とは、遺言者本人が、遺言の全文を自書し、押印した遺言です。つまり、自筆証書遺言は、法律の専門家でない方が自分で作成することができるので、遺言の内容がしっかり特定できず後で、相続人間で遺言の解釈についてもめることもあります。

遺言の内容の特定

自分で遺言書を自書して作成する自筆証書遺言で、もっとも争われるポイントは、遺言の内容について特定できていないことです。

具体例

1.遺言者の有する預金につき長男、次男、長女仲良く分けてください

2.遺言者の所有する土地につき、北半分を長男に南半分を次男にあげます

上記1については、預金について長男、次男、長女が取得することは分かりますが、いくらずつ、またはどの割合で分けるのかが書いてありません。実務上、この内容の遺言書をもって、金融機関に預金解約を申し出ても、遺言の内容が特定できていないため、解約できない可能性が高いでしょう。1の場合は、相続分の割合をきちんと書かなければなりません。

また、上記2については、実際に土地の分筆登記を行ってから、相続登記を行うことになりますが、遺言書に正確な地積測量図等が付されていないと、北半分と南半分が特定できないこともあり、登記手続きができない可能性があります。現在の判例の立場では、遺言で一筆の土地の南北に何平方メートルと特定されていれば、遺言執行者が具体的に境界を確定し、それを測量して図面を作成し分筆登記ができると考えられます。結論としては、2の遺言の特定の仕方では、登記ができないでしょう。

公正証書遺言の勧め

上記のように、自分で遺言書を作成するのは、費用もかからず手軽ですが、自分の死後に相続人の間で、当遺言の内容の解釈が争われる可能性があります。それでは、遺言者の最終の意思を実現するために遺言を作成した意味がなくなってしまいます。そこで、当方では、公正証書遺言をお勧めいたします。こちらは、若干公証人の費用がかかりますが、公証人の作成する遺言ですので、遺言の内容の特定について後日争われることも少ないでしょう。また、当事務所では、公証人とのやりとりから案文作成、必要書類収集等を行い、遺言作成につきサポートいたしますので、安心してご相談ください。無料相談の案内はこちらです。