失踪宣告

現行民法では、相続は、死亡によって開始します(民法第882条)。そして、ここでいう「死亡」には、自然死亡と失踪宣告による擬制死亡をいいます。

失踪宣告とは、人の生死が一定期間明らかでない場合に、その者を一定の時点で死亡したものとみなす制度です。当然、失踪宣告により死亡とみなされた者についても自然死亡した者と同様の相続手続きを行います(相続登記預貯金の解約など)。

失踪宣告には、普通失踪特別失踪に分かれています。前者は、不在者の生死が7年間明らかでないときは、利害関係人の請求により家庭裁判所が失踪の宣告をすることをいいます。普通失踪は、7年の失踪期間が満了したときに、死亡したとみなされます。また、後者の特別失踪とは、戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中にいた者、その他危難に遭遇した者の生死が、その危難が去ってから1年間明らかでないときに、死亡したとみなされることをいいます。特別失踪は、危難が去ったときに死亡したものとみなされます。

なお、失踪者が生存していた場合、本人・利害関係者から家庭裁判所へ失踪宣告の取消しを申立てることができます。