私の死後、長男に私の会社を継いでもらいたいのですが、事業承継対策としてどのような方法がありますか?

A.法的な事業承継対策としては、遺言による方法と種類株式を利用する方法があります。

上記の質問は親族内承継のケースです。後継者に対して事業を承継する場合は、会社の議決権を確保できるだけの株式を後継者に相続させる必要があります。

まず、遺言を利用する承継では、後継者には、会社の株式を、後継者以外の相続人には、株式以外の財産を相続させる方法があります(株式以外に財産がある場合)。また、遺言には、財産をどのように分けるかだけでなく、付言事項の欄に後継者を選んだ理由や、今後会社をどうしていってほしいかなどを書くことで、遺言を読んだ家族や後継者、従業員たちは会社を育て上げてきた経営者の思いを知ることになります。そうすることで相続や後継者問題も円滑に進むかと思います。

なお、相続財産が会社の株式しかない場合には、上記のような分け方で後継者に株式を全て承継させてしまうと、後継者以外の相続人が不満に思うことでしょう。

この場合には、種類株式を利用します。まず、会社の株式を株主総会の議決権のある株式と、株主総会における議決権のない議決権制限株式(完全無議決権株式)の二つの種類株式に分けます。さらに議決権制限株式には、議決権がない代わりに配当を優先して受けることができるように種類株式を設計します。そして、事業を承継する後継者には、議決権のある株式を、その他の相続人には、議決権制限株式(配当優先株)を相続させる遺言書を作成します。このような対策を取得することで、後継者に経営権を集中させることができ、かつ、他の相続人には、経営権はないが、会社の配当を優先して受けることができるので満足してもらうことができます。以上のように、事業承継を円滑に行うには、全ての人にとって、メリットがある対策が必要です。

当事務所では、事業承継を円滑に行えるようにコーディネーターとして法的手続きを行います。上記の他にも、「相続人に対する売渡請求」(会社法174条)など、様々な事業承継対策が考えられますので、事業承継に関するご相談は、当事務所までお問い合わせください。
また、事業承継にまつわる相続税等の税金につきましては、提携の税理士と連携でサポートいたします。