死後の手続き(預金編パート1)

こんにちは。司法書士の加藤隆史です。3月に入りました。昨日は、春一番がふいて少しずつ春が近づいてますね。本日のコラム「相続・遺言のポイント」は、相続手続きの内、預金について書いていきます。ほとんど場合、亡くなった方には多い少ないかかわらず預金口座をもっています。この預金について、死後どのような手続きが必要なのでしょうか。

預金口座の凍結

金融機関は、死亡の事実を知ると預金口座を凍結します。つまり、勝手に預金を引き出せなくなり、また生前、自動引き落としにしていたものも支払ができなくなります。預金口座が凍結された場合は、金融機関で決められている相続手続きをしなければなりません。これに対して、実務上は、死後、相続人が預金をすべてキャッシュカードでおろしてしまうという方法が最も多いです。これは正規の相続手続きではありませんが、相続人としては一番楽な方法です。銀行に死亡の事実を伝えなければ銀行が預金口座を凍結できないので、そのままキャッシュカードで預金をおろしてしまうことができてしまいます。ただし、キャッシュカードをもっている相続人が勝手に預金を引き出してしまうことができるので、後で、他の相続人とトラブルになる可能性があります。では、なぜ、キャッシュカードを使って、預金を引き出す方法をとる方が多いのでしょうか?

預金解約の実務

実は、一般の方が預金の解約を行うには、かなりの労力が必要だからです。実際には、戸籍や他の必要書類を手配し、金融機関所定の用紙に記入、相続人が署名・押印を行います。この作業を、一般の方が手続きを行う場合、非常に大変です。まず、戸籍を集めようにも戸籍の見方が分からず、どこに請求したらよいかわからない、金融機関所定の用紙の書き方が分からない、印鑑を押したが、印影が欠けているからやり直し、というふうに時間・労力が必要です。

実務上、このような面倒な手続きをとらないと現金を払い戻しできないため、もっと簡単な方法としてキャッシュカードを使って、預金を引き出してしまおうという方が多いのです。預金が少額であればこの方法でもよいですが、預金が多い場合や定期預金の場合は、正規の相続手続きをとることをおすすめします(定期預金の場合は正規の方法でしか手続きできません)。

預金の解約?名義変更?

では、具体的に、預金の相続手続きとは、どのような方法なのか。一般的には解約名義変更です。預金の解約を行う場合とは、亡くなった方の預金口座を閉鎖させて、のこっている金額を払い戻し、相続人の口座へ移す方法です。この方法は、普通預金でも定期預金でも行うことができます。

もう一つの名義変更とは、亡くなった方の預金口座の名義を相続人の名義に変更することです。金融機関によっても扱いが異なりますが、一般的に、定期預金の場合は名義変更ができますが普通預金の場合は名義変更が認められていません。つまり、定期預金の場合は、利率が高いため、満期がくるまで解約しない方がいい場合もあるので、名義変更が認められています。

 

次回は、預金編パート2として、実際に預金を解約するために必要な書類や手続き、時間など詳しく書いていきます。