誰も相続人がいない場合、相続財産はどうなるの!?

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。先週は、時間がとれずコラムの更新ができませんでした。週1回のペースで、相続・遺言に関する情報を皆様に提供できるようにがんばります。さて、本日のコラム「相続・遺言のポイント」は、相続人となる方が誰もいない場合に相続財産は一体どうなってしまうのかについて解説していきます。

法定相続人の範囲

亡くなった方(被相続人)の財産は、亡くなった瞬間に法律で定める「相続人」に承継されます。この「相続人」のことを法定相続人といいます。この法定相続人とは、まず配偶者は常に相続人となります。そして、第1順位として、配偶者と子が相続人となります。子が数人いれば子の相続分を等分します。子がいない場合、直系尊属が第2順位として法定相続人となります。しかし、時の流れからして親、祖父母が生存している可能性は少ないでしょう。最後に、子も直系尊属もいない場合は、亡くなった方の兄弟姉妹が相続人となります。これが、法律で定める原則として、相続人となりうる人達です。

相続人がいない場合の手続き

そして、上記の相続人がいない場合、いったい誰が亡くなった方の相続財産を引き継ぐのか!相続人となるべき人が誰もいない場合、利害関係人が家庭裁判所へ申立てすることにより、「相続財産管理人」という相続財産を管理する人を選任してもらいます。ここは難しいですが、相続財産管理人の選任と同時に、相続財産は法人化します。法人化した相続財産を代表者である相続財産管理人が管理していくイメージです。相続財産管理人は選ばれると、他に相続財産管理人が選任されたことや、亡くなった方に債権をもっていた債権者・受遺者に届け出てほしいということ、本当に相続人がいないかどうかについて各公告をします。公告は官報という雑誌に掲載する方法で行います。

この相続財産管理人は、上記のような公告をして、届け出た債権者に相続財産から弁済をしたり、相続財産を保存・管理していきます。しかし、管理に費用がかかってしまう場合などは、それを競売により売却することができます。例えば、不動産などがそれにあたります。相続財産管理人には、売却する権限はありませんので、処分することについて家庭裁判所の許可を得ます。

相続財産管理人がこのような活動を行い、相続人が最後まで現れなかった場合は、特別縁故者(内縁の妻、事実上の養子)に対して、相続財産が分与されます。この方達は、法律上相続人となれない人達ですが、生活を共にしていた人に一定の財産を遺してあげようという考え方です。

最後に、特別縁故者もいなかった場合、相続財産は国庫に帰属します。つまり国のものとなるということです。誰も相続する人がいないので、当然と言えば当然かもしれません。

このように、相続人となる人が誰もいない場合は、上記のような一定の手続きを行います。相続人が誰もいない場合、親切にしてくれた方、施設へ相続財産を遺すためには、「遺言」を作成しておくしかありません。このようなご相談も当事務所は行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。