その相続税対策は本当に家族のためになるのか!?

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。日本、ワールドカップはグループステージで敗退してしまいました。今夏のワールドカップは改めて世界との差を感じましたね。しかし、若い世代がすでに決起しているようです。4年後のワールドカップは世界を驚かせてほしいです。

さて、本日のコラム「相続・遺言のポイント」のテーマは、生前に行う相続税対策です。来年から相続税の基礎控除が下がる関係で、相続税対策をしている方も多いと思います。相続税対策は確かに重要です。しかし、その相続税対策を講じたものの、必ずしもそれが家族の幸せにつながるとは限らないと思います。今日はこのことをテーマにします。

相続税対策とは

ここで相続税対策についてざっくり説明しておきます。みなさまは、できるだけ相続税を払わないようにする対策というイメージを持っているでしょうか。そのために遺産の評価を下げたり、事前に減らしたりするというのも相続税対策です。また、納税資金を用意するというのも対策のうちの1つです。つまり、相続税は原則として現金で納税しなければなりませんので遺産が不動産ばかりですと、相続人自身が現金を持ち出す必要がでてきます。そうならないように事前に現金をのこしておくという対策をすることもあります。

このように相続税対策というのは、遺産自体を減らすこと(評価を下げること)、納税資金を準備することをいいます。そのために、生前贈与であったり、生命保険を利用したり様々な対策をするのです。

なぜ、相続税対策を行うのか。それは遺される遺族のためといっていいでしょう。遺される家族に相続税の負担をかけないようにするためです。つまり、よかれと思って対策するわけです。しかし、その対策が果たして家族のためになるのかよく考えなければならないと思います。

相続税対策をする前によく考える

相続税対策として遺産の評価を下げるという方法があります。実際には、現金を他の財産に変えます。例えば、不動産、有価証券を購入します。これで確かに遺産全体の評価が下がり、相続税も安くなるかもしれません。しかし、不動産や有価証券は相続人間で分けにくいものです。そのため、誰がどの不動産を取得するか決めなくてはなりませんが、どうしても不平等が生じてしまいます。つまり、争族となってしまうかもしれません。相続税の負担を減らすために良かれと思って対策したのに、それが結果として、相続人同士の争いの種となってしまうのです。

また、上記の例で、現金ではなく不動産や株式を配偶者が相続したとします。しかし、配偶者は株式や不動産に興味がなく、投資方法もよくわかりません。そのためその配偶者は慣れない財産の管理や契約関係に大きなストレスを感じてしまうかもしれません。現金でそのまま残せば確かに相続税を納税する必要があるかもしれませんが、その後現金として残るので、配偶者はストレスを感じることなく生活していけるでしょう。

このように、相続税対策は確かに重要ですが、遺される家族のことを考えて、財産の遺し方をかんがえることが先決であると思います。