リビングウィルとして尊厳死宣言公正証書を作ろう!

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。梅雨が明けて暑さが厳しくなってきました。しかし、その後の一杯がうまい!といっても私はそんなに飲みませんが~。

ということで、本日のコラム「相続・遺言のポイント」は、前回に引き続き尊厳死がテーマです。この尊厳死というのは、一般的には「不治かつ末期」になったときに、自分の意思で過剰な延命措置を中止して、人間の尊厳を保ちながら死を迎えることです。尊厳死は、その人の自己決定権を尊重する考え方を重視するものであり、医療の現場においても、その人の尊厳死の宣言があれば一定の延命治療の中止を容認しているといえます。しかし、何もなければ原則延命治療を続けることになります。自分で意思表示ができなくなったときにそなえて、どのような方法があるのでしょうか!?

尊厳死宣言公正証書

前回のコラムでは遺言で尊厳死宣言しておく方法と文言を紹介しました。しかし、確かに遺言で記載しておくことはできますが、遺言とはその人が亡くなってはじめて効力が生じるものですし、亡くなる前に親族以外の医者などが遺言をみるのも問題がありそうです。そこで、遺言以外に別途公正証書を作成しておく方法があります。それが、尊厳死宣言公正証書です。この尊厳死公正証書を作成するにあたっては、法的、社会倫理的な観点を十分吟味し、本人の意思に沿って措置した医師や家族の行動が社会的に非難され、刑事、民事の責任を追及されるような結果にならないよう慎重な配慮が必要となります。尊厳死宣言が本人の真意に基づくことを証明するためにも尊厳死を希望する理由・動機等も内容に入れることをお薦めします。

尊厳死宣言公正証書は、日本公証人連合会のホームページに文例がありますので、こちらをご参照ください。

 尊厳死について考える

尊厳死について説明してきましたが、実際に尊厳死については定義、許容されうるものかなど議論が続いています。その意味では尊厳死はまだ社会的認知を得ているとまではいえないかもしれません。現在、超党派の国会議員連盟により尊厳死法案(正確には「終末期の医療における患者の意思の尊重に関する法律案」)が作成されていますが、こちらも議論がされているところです。

私的な考えですが、人は誰しもが死ぬわけですが、理想を言えば、「畳の上でコロリと死にたい」という方が多いのではないでしょうか。誰も苦痛を伴って死にたいという方はいないですよね。医学の発展により苦痛を和らげて死を迎えさせることはできるようになってきました。また、医学の進歩により、不治の病であっても延命することも可能となりました。あらゆる手段を使ってでも行きたいと思われる方もいらっしゃるでしょう。ただし、チューブや機械につながれて延命されたくないという方もいるのも事実です。この尊厳死というのは、医療の進歩があったことにより、出てきた問題でもあります。

私個人の考えとしては、人は自分で死に方を選んでもよいと思います。そのために、自分の意思をはっきり周りの方に伝えるために、リビングウィルとして尊厳死宣言公正証書などを作成しておくことはよいかと思います。まだまだ議論の多いところで正解はないかもしれませんが、この問題についてぜひみなさん考えてもらえればと思います。