相続についてよく勘違いされているポイント

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。最近は、司法書士会でも多くの研修が催されてます。相続や家族信託、成年後見の研修、または民事調停の研修、消費者契約の研修などです。司法書士はたえず情報収集して新たな知識を身につけていかなければ、お客様に良い情報を届けることができないため、このような研修は必須といえます。私も多くの研修に参加し、幅広い知識を得ていますので、そこで得た情報をお客様に還元していきたいと思います。

それでは、本日のコラム「相続・遺言のポイント」は、相続について一般の方がよく勘違いされているポイントについて書いていきます。

相続放棄は生前にできない

よく、生前に相続人の相続放棄をさせたいという方がいらっしゃいます。しかし、生前に相続人の相続放棄はできないのです。なぜなら、相続する権利というのは、相続が起こらなければ相続権は生じないからです。つまり、相続権というのは誰かが亡くなり相続が生じないと発生しない権利、生前には何らの権利がない、つまり期待権なのです。権利が生じていない以上は当然放棄もできません。この点はよく相談を受ける際に勘違いされているポイントですので気を付けてください。ちなみに相続放棄は相続人が亡くなったことを知ってから3か月以内に亡くなった方の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てをして行います。よく、「相続放棄した」と宣言しても相続放棄したことになりません。この点もよく勘違いされているポイントです。

なお、相続放棄と比較して遺留分放棄というものがあります。こちらは、生前には家庭裁判所の許可を受けて放棄することができます。遺留分とは、相続人の最低限の相続を受ける権利のことです。誰かに相続させたくなかったら、その相続人になりうる方が遺留分放棄をして、遺言を作成することで実現できます(相続人廃除という方法も検討できます)。

以上のとおり、相続放棄はよく勘違いされているポイントが多い制度ですので、正しい知識を身につけていただければ幸いです。

基礎控除を超えても相続税を払わない場合がある

相続税については来年平成27年1月から新たな基礎控除に変更されます。3,000万円+(法定相続人の数×600万円)です。つまり、妻、子2人がいる家族で夫が亡くなった場合は、4,800万円が基礎控除となります。相続財産がこの基礎控除を超えない場合は、相続税の納税は一切必要ありません。逆に基礎控除を超える場合は、相続税を納める可能性があります。ここでよく勘違いされているポイントとして、基礎控除を超えていても相続税を納税する必要がない場合もあるのです。例えば、小規模宅地の特例を使うと土地の評価額が下がるため、基礎控除以内におさまるということもでてきます。この場合は相続税を支払う必要はありません。ただし、このような相続税に関する特例を使って計算する場合、その特例を使いますという申告を行う必要があります。まとめますと、①相続税の申告すら必要ない場合②相続税の申告は必要だが納税はない場合③相続税の申告をして納税する場合の3パターンがあります。こちらについても正確に理解することで相続税についてもわかってきます。

以上にように一般の方に勘違いされている相続のポイントは結構あります。今後のコラムでも取り上げていきたいと思います。