相続税法改正に伴う間違えやすいポイント

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。さて、年末も近づきみなさんバタバタしているのではないでしょうか!?今年は12月の実働日数が短いので今から気合入れてがんばらなければいけませんよね!

さて、本日のコラム「相続・遺言のポイント」は、いよいよ来年1月から施行される改正相続税法のお話です。相続税法の改正については、今テレビや雑誌でもあれやこれや書かれています。しかし、実は間違えた認識を持っている方も少なくありません。今日は、この間違えやすいポイントについて説明していきたいと思います。

今年中に相続手続きを完了しないといけないの!?

最近多いのは、来年相続税が変わるから、今年中に不動産の名義をしなければという相談です。来年には基礎控除が5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)から3,000万円+(600万×法定相続人の数)というように縮小されますので、今年中に相続手続きを終えなければという間違えた認識をもってる方がいらっしゃいます。確かに基礎控除の枠は縮小されますが、これは、平成27年1月1日以降に亡くなった方の相続から適用されます。つまり、今年もしくはそれより前に亡くなっている方の相続には改正前の控除額が適用されますので、今あわてて相続手続きを行う必要はありません。司法書士の業界でも年末に相続登記手続きのご依頼が増えるのではといわれていますが、こちらにつきましては、来年度以降の手続きになったとしても影響はありません。しかし、相続登記や相続手続きについては早めに手続きした方がよいですので、できるだけ早く相続手続きを開始しましょう。

来年度以降は、相続税が増えるからどうしよう!?

上記に記載しているとおり、来年度以降は基礎控除の枠が縮小されます。そのため、相続税が増えてこまると考えられている方が増えております。しかし、実際に相続税額は増えるのでしょうか?

まず、基礎控除を超えると税務署に必ず相続税の「申告」が必要になります。ここでのポイントは基礎控除を超えても、相続税を必ず「納税」しなければならないということではありません。つまり、基礎控除を超えた場合、相続税の「申告」は必要だけれど「納税」しなくてもよいというパターンもあるのです。

それは、相続税には様々な軽減特例というのがあるからです。例えば小規模宅地の特例というのがあります。ある一定の条件をみたすと土地の評価を8割も下げて計算できるということです。つまり、基礎控除を超える場合であっても、この小規模宅地の特例の適用を受けると基礎控除以下になるということであれば、特例の適用を受けるため「申告」は必要だけれど、基礎控除以下になるから「納税」は必要ないのです。

この小規模宅地の特例は、改正により、適用範囲が広がり、さらに適用を受けやすくなっております。そのため、小規模宅地の特例は今よりもずっと適用範囲が広がり、適用を受けやすくなり納税まで必要ない方も多くなります。小規模宅地の特例以外にも様々な軽減・控除の特例がありますが、現在より来年の方が適用範囲が広がるような変更となっています。

結論としては、来年以降は、「申告」する人は増えるかもしれないが、「納税」まで必要な方は増えないのではという考え方もあります。

このように正確な知識をもつことで相続対策も変わってくるかと思います。対策をする前には正確な知識を得ておきましょう。