孤独死により発生する法律問題とは!?~パート2~

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。12月に入り、仕事やら忘年会やらクリスマスやら年賀状やら、まさに師走ですね。みなさま慌ただしくなるかと思いますが体調に気を付けて乗り切りましょう。

さて、本日のコラム「相続・遺言のポイント」は、孤独死により発生する法律問題の2回目です。前回は、孤独死により生じる問題点、特に借家に焦点をあてて解説しました。今回も借家に焦点をあてて説明していきます。

滞納家賃の回収

前回は賃貸借契約の解除のこと、原状回復義務のことを解説しました。今回は滞納家賃から話を始めます。孤独死により亡くなる方の中には、家賃の滞納しているケースが割と多いです。これは社会背景から高齢化に伴い経済的な基盤からきていますが、親族からの援助もないため少額資産のケースが多いです。そのため、家賃を滞納しているわけですが、大家としては、その滞納家賃を支払ってもらわなければなりません。通常、本人が亡くなっているためその相続人に対して請求します。しかし、孤独死された方の相続人は、何も関与したくないという相続人の方が多いことから相続放棄するケースも考えられます。また、滞納家賃の他に原状回復費用なども発生しますから益々相続放棄をしてしまおうと考える相続人が多いことでしょう。そして、相続放棄をした相続人からは家賃を回収することができません。では大家さんはどこから滞納家賃を回収したらよいのでしょうか!?

連帯保証人への請求

そこで、その賃貸借契約の連帯保証人に対して請求することを検討しましょう。もちろん賃貸借契約において連帯保証人と連帯保証契約をしていることが前提です。連帯保証人は滞納賃料の支払い義務がありますので、大家は連帯保証人に滞納家賃の支払い請求ができます。ただし、滞納している家賃は高額になっているケースが多いです。また連帯保証人の気持ちとしてはなぜ自分が払わなければならないのかと思われる方も多いでしょう。そのため、滞納家賃を連帯保証人から回収することも一筋縄でいきません。連帯保証人が任意に支払いをしない場合は、裁判手続きになるでしょう。そして裁判手続きで大家の主張が認められても連帯保証人の財産を把握していなければ強制執行することもできません。そのようなことから実際にお金を回収することは難しい場合も多いのです。

ちなみに連帯保証人の責任はどこまで及ぶのでしょうか。滞納家賃は連帯保証人の責任になりますが、原則として賃貸借契約更新後の滞納家賃等も連帯保証人の責任となります(ただし、例外も多く判例で認められています)。

大家の注意点

また、孤独死の場合、第一発見者は大家になることが多いですが、緊急を要する以外は勝手に部屋に立ち入ることはできませんので注意してください。原則としては警察立会いのもとドアを開錠しましょう。また、孤独死のあと相続人、連帯保証人から滞納家賃を回収できないからと言って、建物内部の残置物を任意処分してしまうことも犯罪になってしまします。民法では自力救済が禁止されていますので、きちんと法律手続きを経なければなりません。

以上2回にわたり孤独死について書きましたが、上記以外にも論点があり、今後社会問題化することは間違いありません。孤独死は、法律専門家にとって今後注目すべき法律問題です。