マンションや別荘地の管理組合の理事長に相続が起こったときの問題点とは!?

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。新年あけましておめでとうございます。2016年も司法書士かとう法務事務所をよろしくお願いいたします。

さて、本年最初のコラム「相続・遺言のポイント」のテーマは管理組合の理事長に相続が起きたときの問題についてです。管理組合というとマンションを思い浮かべていただくとよいかと思いますが、通常、マンションでは、階段や廊下などのマンション内の共用部分について部屋の所有者が形成する管理組合が管理しています。管理組合とは強制加入、任意脱退ができない性質の団体です。部屋の所有者は管理費を支払って管理組合で共用部分の維持、管理をしていくことになります。そして、管理組合には理事や監事といった役員を置くことが一般的です。ここで、管理組合とは「団体」であって、「法人」ではありません。つまり法人格がない場合は、法人の名前で預金口座を開設することができないのです。管理組合が口座を開設する場合、通常「○○管理組合 理事長 ○○」といった理事長個人口座に屋号がついた形で作られます。管理費等のお金は当該口座で管理することになりますから、理事長の個人口座で管理していくということになります。ここで、理事長が亡くなった時に当該口座はどうなってしまうのでしょうか!?

管理組合は任意団体であって法人格はない

上記のとおり、管理組合は任意の団体となります。つまり、人の集合体です。このような任意団体というのは結構多くあります。サークル、学会、政治支援団体、町内会、別荘地の管理組合などです。このような任意の団体を権利能力なき社団といったりします。このような任意団体は、法人格はありませんので法律上、権利・義務の主体となることができません。例えば、町内会で使っているコミュニティーセンターの建物についても、町内会名で登記することができないため、代表者個人名または構成員全員の共有名義で登記しなければならないことになります。もちろん、預金口座を開設する場合も団体名義で作ることができないのです。そのため、このような団体は便宜、団体名を屋号として理事長名で口座を開設することになります。そして、理事長が亡くなった場合に問題がおこるのです。

理事長が亡くなると管理口座が相続されてしまう

理事長名の管理口座を作っていて、万が一、その理事長が亡くなってしまいますとその管理口座の権利は、原則として理事長の相続人に相続されることになります。そして、預金口座は理事長が亡くなったことで凍結されてしまうのです。そのため、管理組合としては早く凍結を解除しないと運営できません。仮に理事長の相続人同士で争いが生じていて口座の解約手続き等が遅くなったりして、管理組合に移管できない事態になってしまうと大問題となります。理事長の相続人が権利を主張してくる可能性もゼロではありません。理事長も人間ですので、突然事故に巻き込まれたり、病気で急死してしまうこともあります。そのときにこのような問題が起こらないように管理組合ごとで対応しなければなりません。

管理組合法人をつくり、法人名で預金口座を開設する

ここで対応策とはどのようなものがあるでしょうか!?それは法人を設立するということです。マンションの場合は管理組合法人となります。管理組合法人を設立すれば、管理組合の権利・義務が法人へ移行されます。法人名義で預貯金の開設が可能となり、管理費を法人名義で管理していくということが可能となります。あらゆる手続きを管理組合法人の名義で行うことができますので、理事長の個人の負担の軽減、また管理組合自体の健全な運営が可能となります。

当事務所では管理組合などの法人化など相談・手続きしておりますので、お気軽に当事務所お問い合わせください。