相続人の範囲

こんにちは。司法書士の加藤隆史です。昨日は、横浜の異業種交流会に行ってきました。多くの異業種の方とお話しすることができ、とても楽しい時間を過ごすことができました。自分と異なる業種の方と知り合いになることは、大変勉強になり、刺激にもなります。ぜひ、皆様も参加してみてください。

では、コラム「相続・遺言のポイント」第4回目のテーマは、「相続人の範囲」です。

相続人となるのか否か

民法では、相続人となることができる者の範囲は、血族相続人である被相続人の直系尊属兄弟姉妹並びに被相続人の配偶者に限られています。

では、次に掲げる者は相続人となることができるか検討していきます。

① 非嫡出子

② 養子にいった子

③ 先妻との子

④ 配偶者の連れ子

⑤ 配偶者の父母

① 非嫡出子も相続人になります。非嫡出子とは、法律上の婚姻関係のない男女の間に生まれた子のことです。民法上では、嫡出子、非嫡出子問わず相続人としています。ただし、嫡出子と非嫡出子が共同で相続する場合は、非嫡出子の相続分は、嫡出子の相続分の2分の1と定めています。また、非嫡出子は、母については、その認知を待たずに、分娩の事実により法律上の親子関係が生じるため常に相続人となりますが、父については、子に対する認知がなければ法律上の親子関係は発生せず、相続人となることはできません。

② 養子にいった子も、実親との関係で相続人となります。養子は実親・養親双方の相続人となります。養子は、養親の相続人となる一方、実親との親族関係は消滅しないため、実親の相続人にもなるのです。ただし、特別養子の場合は、結論がことなってきますので、詳しくはこちらを参照ください。

③ 先妻との子も当然、嫡出子として父の相続人となります。父と母(先妻)が離婚しても、その子は、父の子であることは変わらないからです。

④配偶者の連れ子は、一方の配偶者との間では、養子縁組等をしない限り、法定の親族関係が発生せず、単に姻族関係を生じるにすぎませんので、相続人とはなりません。

⑤配偶者の父母についても、姻族関係が生じるにすぎないため、相続人とはなりません。民法上「直系」尊属が相続人と定められているからです。

 

相続人の範囲がわからないと遺産分割ができない

上記のように、法定相続人が誰かを判断することは、非常に重要です。なぜなら、遺産分割には、すべての相続人が協議に参加し同意する必要があるからです。一人でも参加しない場合は、遺産分割が無効となってしまいます。法定相続人の判断を間違えてしまうと、遺産分割が成立させることができず、相続手続きができません。相続人の特定のためには、戸籍謄本の読み取りが必要ですが、その前提として、相続人の範囲をしっかりおさえておくことが重要です。今回のコラムでは5つの例をあげましたが、それ以外にも代襲相続、数次相続が絡んでくると相続人となるかどうか判断が難しくなるケースがあります。代襲相続や数次相続については、次回以降のコラムで説明したいと思います。