笑う相続人とは?
こんにちは。司法書士の加藤隆史です。4月も終わり、今日からゴールデンウィークでお休みの方も多いのではないのでしょうか!?今年は、30日、1日、2日と平日なので、通常業務の方もいらっしゃるかと思いますが、私の事務所はもちろん、フルタイムで営業しております。また、祝日もご相談のご連絡をいただければ対応いたします。もし、緊急でご相談がありましたらご遠慮なく当事務所までお問い合わせください。
さて、今日のコラム「相続・遺言のポイント」のテーマはタイトルにも書きましたが、「笑う相続人」です。「笑うセールスマン」ではありません!聞いたことのないという方も多いかと思いますので、こちらの説明をしていきます。
笑う相続人というのは、どのような相続人?
笑う相続人。この言葉自体は俗語で、法律用語ではありませんし、国語辞典でも出てきません。では、なぜこの言葉が使われるのか!?笑う相続人とは、生前お付き合いの全くない方が亡くなり、面識もないにもかかわらず相続権を取得する相続人のことです。例えば、甥、姪が相続人になるケースで、生前、まったく面識のなかった叔父さんや叔母さんが亡くなり、自分の親がすでに亡くなっていたので、たまたま相続人になった方のことです。つまり、自分が相続人になると全く予想していなかったのに、ふと相続人の立場になった方です。
このような相続人の多くは自分には関係がないし、生前お付き合いもないからということで、自分が相続財産を取得しなくても遺産分割協議にサインしてくれます。しかし、中には相続権が棚からぼた餅のように転がってきたことをいいことに、他の相続人に対して、遺産分割協議書にサインすることを条件に、金員を要求したり、相続財産について相続分を主張する方もいます。
つまり、笑う相続人とは、マイナスの意味で使われます。
笑う相続人の出現を防ぐための遺言の活用
笑う相続人が出てくると他の相続人は大変です。その相続人の要求を飲まなければ、遺産分割協議が成立しない、つまり、不動産や株券の名義変更や預貯金の解約ができないことになります。では笑う相続人の出現を防ぐにはどのようにしたらよいか。
それは、生前に遺言を作っておくことです。遺言により相続させる方をあらかじめ決めておくのです。そうすれば笑う相続人は出現しません。しかも、兄弟姉妹、甥、姪が相続人になる場合は、遺留分も有しないため、あとで相続分を請求されることもありません。遺言というのは、利用される方が少ないですが、笑う相続人の出現を防止し、しいては争族にならないための一番の相続対策なのです。
この遺言については、単に自分で書く遺言はお薦めしません。公証役場で作成する公正証書遺言がお薦めです。こちらにつきましては、次回以降のコラムで書いていきます。では、今日はこの辺で。