数次相続
所有権の登記名義人の死亡により相続が開始したが、その相続による所有権移転の登記をしない間に、その相続人が死亡し、第2、第3の相続が開始した場合のことを一般的に数次相続とよんでいます。不動産登記法上、権利変動の過程を登記に忠実に反映することを原則としていますので、本来であれば数次相続の場合においても、まず第1の相続による登記をし、ついで、第2、第3の各相続による登記を順次行うことになります。しかし、相続登記の性質上、直接最終の相続人への移転登記を認めても公示上の混乱はおきないので、事案によっては、中間の相続登記を省略する取扱いが認められています。
登記実務では、第1及び中間の相続が単独相続である場合に限り、登記原因及びその日付を連記したうえで、登記名義人から最終の相続人名義に直接相続登記を申請することができるものとされています。この中間の相続が単独相続ということには、遺産分割、相続放棄により単独相続になった場合も含まれます。また、最終の相続は共同相続でも認められます。
登記原因は、「年月日A相続年月日相続」、「年月日A家督相続年月日相続」というように記載します。