ゆうちょ銀行の相続による貯金引き出しは大変!?

こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。11月に入り年末にかけて仕事も忙しくなってくる時期ですよね。また、忘年会やクリスマスなどのイベントも多くなる時期です。しっかり体調管理していきましょう。

さて、本日のコラム「相続・遺言のポイント」のテーマは、ゆうちょ銀行の相続です。当事務所にも相談の際に度々話題に出てくるのが「ゆうちょ銀行の相続手続きは大変」というお話です。他の金融機関に比べて何が大変なのか、どのような手続きをしていく必要があるのか、本日はゆうちょ銀行の相続手続きを依頼者の代理人として実際に行っている私からお話しさせていただきます。ちなみにゆうちょ銀行に預けているお金は「貯金」といい他の金融機関は「預金」と呼びます。

ゆうちょ銀行は相続調査に時間がかかる

遺産相続手続きの仕事を行っている私が思うに、ゆうちょ銀行と他の金融機関と違うところ、それはゆうちょ銀行の方が相続調査に時間がかかるということです。具体的にいいますと、ゆうちょ銀行はまずゆうちょ銀行に亡くなった方の口座があるか否かを確認する残存照会が必要です。その発行をまって、さらに残っている口座の残高証明照会を行う必要があるのです。これが同時にできません。一方他の金融機関の多くは、残高証明の請求をすると亡くなっている方のもっている他の口座も全て教えてくれます。わざわざ他に口座があるか照会する手続をとる必要がないのです。そのため、ゆうちょ銀行は他の銀行より相続調査に時間がかかるのです。

ゆうちょ銀行は相続届の発行にも手続きが必要

通常、金融機関に相続による預金解約等を行う場合は、その金融機関指定の相続届に相続人が署名・押印したものを提出します。ゆうちょ銀行以外の他の銀行は窓口でそのまま相続届という用紙をいただけることが多いです。しかし、ゆうちょ銀行の場合は、その相続届という用紙を発行してもらう手続きが別に必要です。誰が亡くなったか、相続関係など書いて提出しなければならないのです。ここでも時間がかかるのです。

ゆうちょ銀行の貯金解約金の受領

相続調査を行い、相続届を提出してようやく相続による貯金解約手続が完了し、いよいよ貯金を受け取れるという場面、受け取り方法についてもゆうちょ銀行と他の金融機関は異なります。他の金融機関では、その解約したお金を相続人の指定する金融機関の口座に入金することができます。多くの場合、相続届に入金先口座が記入されていますので、そこに相続人自身の口座を書いておけばよいのです。一方、ゆうちょ銀行の場合、相続人がゆうちょ銀行の口座を開設している場合は、その口座へ直接入金することができますが、ゆうちょ銀行の口座を持っていない場合、払戻証書が送られてきます。この払戻証書をゆうちょ銀行に持っていき、直接現金を受け取らなければならないのです。

相続実務を知っている代理店が少ない

ゆうちょ銀行の場合はどこの代理店でも手続きを行うことができますが、相続実務を知っている方が少ないのが実情です。他の金融機関では相続専門の担当者の方がいたりしてわりとスムーズに手続きが進みますが、ゆうちょ銀行は窓口においてもなかなかスムーズに話がいかなかったりします。私の場合は、裁判所や法務局などが固まっている場所の近くのゆうちょ銀行で手続きしています。なぜだと思いますか!?裁判所や法務局には弁護士や司法書士といった法律専門家の事務所がかたまっています。そのため、その近くのゆうちょ銀行の担当の方は、そのような法律専門家がしょっちゅう相続手続きをしに来るので、相続手続きに慣れているからです。

ちなみに余談ですが、かんぽの手続きも同じ窓口で手続きしますが、貯金とは別扱いですので、個別に残存照会、戸籍謄本等の提出等をしていかなければなりません。

以上からゆうちょ銀行は他の金融機関よりも手続きが煩雑で時間がかかる傾向にあるといえると思います。

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