祭祀財産

祭祀財産とは、祭祀を営むために必要な「系譜、祭具及び墳墓の所有権」のことをいいます。系譜とは、家系図など先祖代々からの家系を書き記した文書や図書をいい、祭具とは、神棚、位牌、仏壇など祖先や親族の祭祀を行うために用いる用具をいいます。墳墓とは、墓碑、埋棺、霊屋などの設備をはじめ、その維持のために必要な土地の所有権や墓地使用権も含まれます。この祭祀財産は、相続財産に当たらず、祭祀を主宰する者が承継します。誰が祭祀を承継するかは、被相続人が指定した者、指定した者がいない場合は、地方の慣習、慣習も明らかでないときは、家庭裁判所の審判または調停により定められます。

また、登記簿上の地目が墓地である場合の所有権移転登記の登記原因は、「相続」を原因とする場合、「民法897条の規定による承継」、どちらの場合でも、登記は受理されるべきとされています(昭36.3.24民三第282号)。

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