専門家が公正証書遺言を薦めるのはどうしてでしょうか?公正証書遺言のメリットとデメリットを教えてください。
A.公正証書遺言は、遺言の方式違反により無効になってしまうことがなく、紛失する心配もありません。また、亡くなった後に家庭裁判所の検認手続きをしなくても、すぐに相続手続きに入ることができるため、遺言書を作る場合は公正証書遺言をお薦めしています。
公正証書遺言とは、公証人が遺言者本人から遺言したい内容をききとって、公証人が作成する方式です。そして、原本を公証役場で保管し、遺言者本人には、正本、謄本が渡されます。そのような特徴から以下のメリット、デメリットがあります。
メリット
- 公証人が作成するため遺言の内容、趣旨が明確となり、方式違反として無効となるおそれがありません。
- 原本が公証役場に保管されるため紛失したり、相続人による隠匿・破棄のおそれがありません。
- 家庭裁判所による検認が必要ないため、スムーズに相続手続きに入ることができます。
- 文書が書けなくても自分の名前を署名できれば作成可能です。
- 口がきけない方、耳が聞こえない方でも作成することができます。
- コンピュータによる検索システムがありますので、遺言書の存在を調査できます。遺言の取り消しがある場合に有用です。
デメリット
- 公証人の費用が多少かかります。
- 証人が必ず2名必要です。
なお、当事務所で遺言書を作成のご依頼をいただく場合の公正証書遺言作成費用は、公証人費用と司法書士費用を合算した金額となります。